キッス(KISS)のオリジナル・ギタリスト、
エース・フレーリー(Ace Frehley)は米Guitar Worldのインタビューの中で「多くの人に聴いてもらえるような象徴的なギタリストになるとは思っていなかった」「何千人ものギタリストに影響を与えることが分かっていたら、もっと練習していただろうね(笑)」と語る。またポール・スタンレーとペアを組む秘訣や、自身のギターソロについても話しています。
「影響を受けたと言われると、いつも光栄に思うよ。何千人ものギタリストに影響を与えることが分かっていたら、もっと練習していただろうね(笑)。笑っちゃうけど、それが真実なんだ。多くの人に聴いてもらえるような象徴的なギタリストになるとは思っていなかった。“あなたのおかげでギターを弾くことができた”と言ってくるプレイヤーがたくさんいて、俺はいつも“ ワオ!”という感じだったんだ」
ポール・スタンレーとペアを組む秘訣は何だったのかと訊ねられたエースはこう答えています。
「何よりも相性が良かった。それを言葉にするのは難しいよ。そういうことはいつもそうなんだ。でも、俺のスタイルがポールのスタイルに合っていたことは確かだ。
ポールは素晴らしいリズム・プレイヤーだし、俺もそうだ。一緒にコード・ワークをするとき、俺は1オクターブ上の音を弾いていたから、彼とダブることはなかった。“Strutter”の時もそうだった。自然とそうなった。ポールが低いパートを弾いて、俺がオクターブを弾く。俺は曲に厚みを持たせるのが好きで、ポールもそれに同意していた。理にかなっていたんだ」
また、自身のギターソロについて、こう話しています。
「俺のソロは全部、いや、90%は即興だった。頭の中を空っぽにして、誰かにキーを教えてもらって、それをやるんだ。3回、4回、5回、あるいは6回パスすることもあるけど、それが俺のベストのやり方なんだ。
リラックスして、何も気にせず、頭を空っぽにすれば、ソロはたいていうまくいく。70年代もそうだったし、今も同じだ。周りで起きていることを気にしなければ、ソロをやっていてもたいてい大丈夫なんだ。
(Q:あなたのソロは、曲の中の曲と言えるほどテーマ性がありますね)
それはいい指摘だ。俺のソロがどのように出てくるか、つまり、俺の演奏をよく聴けば、俺がブルースをベースしたプレイヤーであることがわかるだろう。俺はエリック・クラプトンやジミー・ペイジのようなミュージシャンの大ファンで、彼らは歩きながら何日も口ずさんでしまうようなソロを弾いていた。
さっき挙げた連中は、鼻歌を歌えるようなソロを弾くんだけど、俺が“いや待てよ......今のはなんだ?”と思うような瞬間もあった。もし俺のソロで何千人もの観客を振り向かせることができているのなら、それは鼻歌で歌えるだけでなく、スピードと敏捷性を兼ね備えているのが正しいことなんだと学んだからだ。
だからといって、常に速く演奏することが重要なわけでもない。俺はエディ・ヴァン・ヘイレンと仲が良かったけど、あんな演奏はできないと思っていた。メロディーのセンスも重要だった。必要なところでは速く、そうでないところでは緩やかに演奏するんだ。
(Q:70年代のキッスで好きなソロはあります?)
いつも印象に残っているソロは、『Hotter Than Hell』に収録されている“Strange Ways”だね。一日中レコーディングしていて、フラストレーションが溜まっていた。“マーシャルの前に立つだけだ、ただ、おもむくまま演奏するんだ”と言ったのを覚えてる。そうしたらクレイジーなソロが生まれたんだ。
みんなと初めて一緒に演奏した“Deuce”もそうだし、“Shock Me”もそうだね。この2曲は、70年代初期と後期のキッスの間のブックエンドだと思っている。俺の演奏に関しては、それらが決定的なものなんだ」