Carmine Rojas (Image credit: Getty Images)
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の『Let's Dance』時代のベーシスト、
カーマイン・ロハス(ロジャス/Carmine Rojas)は、ボウイと仕事するようになった経緯をBass Playerのインタビューの中で振り返っています。同作で
スティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)と共演したことや、サポート・プレイヤーとして共演した
キース・リチャーズ(Keith Richards)の魅力についても語っています。
「82年か83年にデヴィッドは、ラテン・サウンドのR&Bの雰囲気を持ちつつ、ロックもやっている、黒人やプエルトリコ系のミュージシャンによるオーガニックなサウンドのバンドを探していた。70年代までさかのぼると、彼はただストレートに演奏するだけではない、都会的なミュージシャンが好きだった。
それで、デヴィッドの関係者から電話があった。その時はデヴィッドのためだとは知らなかったんだけど、結局『Let's Dance』のレコーディングのためにスタジオに呼ばれたんだ。オーディションはなかったし、やるべきことは何となくわかった。僕は70年代からボウイのファンだったから、彼が自分のやりたいことを自由にできるミュージシャンを求めていることは知っていた。
(※このレコーディングにはスティーヴィー・レイ・ヴォーンが参加していた)
僕は(ジミ)ヘンドリックスの大ファンなんだけど、スティーヴィーは彼の良さを兼ね備えていたような存在だったから興味深かったよ。たしかアルバート・キングが『Let's Dance』をやるように頼まれていたんだけど、彼は都合がつかず、キース・リチャーズがデヴィッドにスティーヴィーを紹介したんだ。
デヴィッドの周りにはいつもミック・ロンソンやロバート・フリップのような面白い人たちがいたから、スティーヴィーのようなひねりを加えてくれる人がいるのは理にかなっていた。スティーヴィーに会って彼の演奏を聴いて以来、僕はスタジオでのスティーヴィーの大ファンになった。僕にとっては、彼はすべてをやり遂げる究極の男だった。彼のようなプレイができる人は他にいない。
最初はスティーヴィーとドラムのオマー・ハキムだけだったのに、僕の手元に届いたときには骨組みが出来ていたので、僕にとっては不思議な感じだった。そこから曲を組み立て、自分のパートを加えていったんだ」
ロハスはキース・リチャーズのソロ・ライヴで一緒に演奏したこともありました。
「キース・リチャーズは本物だよ。彼のやり方は誰よりも1,000%上だ。キースは感動させるためにそこにいるわけではないし、誰かと競争しているわけでもない。
僕はベーシストとして、誰とも競争しないので、彼とは気が合うんだ。僕はただベースを弾いて、楽しんで、人生を楽しみたいだけ。キースとは、サポートし合うことが大事なんだ。だから僕たちはうまくやっていけるんだろうね。彼はその考え方を理解している。
(リチャーズとジャムるのはどんな感じか?)最高だよ! 子供の頃、ブライアン・ジョーンズがバンドにいたころ、ローリング・ストーンズをテレビで見ていたのを覚えている。ミック・テイラーやロニー・ウッドもいたけど、キースはいつ見ても一番面白かった。
彼と一緒に座って、一緒に演奏して、彼が作り出す空気の一部になれるなんて、信じられないよ。キースは音楽を愛している、 彼と一緒にいると、それがわかるんだ。
それは彼の体の動きにも表れている。キースには嘘もでたらめもない。キースには真実しかないんだ」