クイーン(Queen)の
ブライアン・メイ(Brian May)は、今でも「インポスター症候群」であるという。「インポスター症候群」は「客観的に成功している事実があるのに、自分に自信が持てず、自己肯定感が低く、ネガティブな思考に陥ってしまう」という心理傾向のこと。クラシック・ギタリストのロージー・ベネットのポッドキャスト『Fret Not』に出演した際に語っています。
ベネットは「インポスター症候群」について具体例として、自分の居場所がない、自分には十分な価値がない、という感情に悩まされたことがあるかと尋ねると、メイは「いつもそうなんだ」と答えています。
「今でもいつも部屋に入るときは、“みんなはどう思うんだろう? 僕はここにいるべきではないのかもしれない”と思うんだ。それはよくあることで、人から話しかけられるまで、僕はいつもこう思っている。A)彼らは僕が誰であるか知らない、B)彼らは僕に興味がない、C)僕は彼らを死ぬほど退屈させるだろう」
メイは高い評価を得ているにもかかわらず、時が経ってもそのような感情は消えていないと説明しています。しかし、少なくとも彼にとって、それは良い面もあるという。
「なくなることはないと思う。論理的に考えれば“ああ、そうか、僕はそういう人間なんだ、みんなこう思ってくれるはず、彼らはもう僕に16歳であることを期待しない。僕が何をしているのかわかっているはずだ”とわかる。ある意味、それは健全なことで、傲慢になったり、思い込んだりするのを防いでくれる。だから、それほど気にならないよ」
「科学界でそれをより実感しているんだ。僕は科学から離れて、その後に戻ってきたからね。(2007年に)博士号を取得したんだけど、不正は一切なかった。彼らは僕に本当に厳しかった。簡単には取れなかった。僕はそのコミュニティから離れたけど、また戻ってきた。僕は自分を天文学者、天体物理学者と名乗ることは正当なことなのだろうか?と思うこともあるけど、自分には自分のニッチがある。僕にとって天体物理学のニッチとは、立体視のニッチであり、僕は天体立体写真を撮っている。そんなことをやっている人は世界中探してもそうそういないから、その小さな領域で頭角を現すことができるんだ」