Geddy Lee / My Effin’ Life
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のデビュー・アルバムを聴いたことが
ラッシュ(Rush)のすべてを変えたと、
ゲディー・リー(Geddy Lee)は自身の回顧録『My Effin' Life』で述べています。デビュー・アルバムを初めて聴いた日のことを、こう振り返っています。
「彼らのファースト・アルバムがリリースされるとすぐに僕たちは地元の(カナダのレコード店チェーン)Sam the Record Manに駆け込んだ。でも、その噂は瞬く間に広まっていて、すでに品切れになっていた。ようやく再入荷したとき、僕たちはその1枚を手に入れて家に帰り、ターンテーブルに置いた。僕たち3人(リー、アレックス・ライフソン、ジョン・ラトジー)はベッドの上に座り、“Good Times Bad Times”のヘヴィネス、“Communication Breakdown”の輝き、そしてドラムの音に耳を傾けて、畏敬の念を抱いていたのを今でも覚えているよ!
プラントの極端なヴォーカル・レンジとジミーのギターの演奏表現が、このバンドを超越した存在にしていた。僕的にはジョン・ポール・ジョーンズの感情を揺さぶるベース・ラインがドラム・パートと完璧に融合し、バンドの基礎を固め、ロックの新時代のリズム・セクションを作り上げていた。
ザ・フーは自由奔放で、ハードにロックし、メロディーが素晴らしかった。ジミ(ヘンドリックス)は音楽のブードゥーであり、華やかさの化身だった。クリームはブルージーな名人芸のショーケースだった。じゃあ、これは? ヘヴィだった。ZEPはブルースを爆発的で非常に英国的なスタイルで再構築し、他に類を見ないほど僕たちの世代のプレイヤーたちに語りかけていた。ZEPが登場する前にもロックはあったし、ZEPが登場した後にもロックはあった。彼らが僕たちの新しいパラダイム(模範)だった。
ツェッペリンは、自分たちのサウンドに対する考え方に課題をくれた。もし今ヘヴィでなければ、それはただの弱虫だと感じたんだ」