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『Led Zeppelin IV』のジャケットカヴァーに描かれている「薪を背負った老人」は誰なのか?50年以上の謎がついに判明

2023/11/08 10:15掲載(Last Update:2023/11/09 00:37)
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Led Zeppelin / Led Zeppelin IV
Led Zeppelin / Led Zeppelin IV
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のアルバム『Led Zeppelin IV』(1971年11月8日発売)のジャケット・カヴァーに描かれている「薪を背負った老人」。この人物は誰なのか? 半世紀以上も謎のままでしたが、ついに判明。19世紀末にイングランド南西部のウィルトシャーに住んでいた屋根葺き職人のロット・ロングであることが調査で判明、またオリジナルは絵画ではなく白黒写真であることも分かっています。


The Wiltshire thatcher, as seen on the cover of Led Zeppelin IV. Photograph: Wiltshire Museum


英ガーディアン紙によると、西イングランド大学の地域歴史センターの客員研究員であるブライアン・エドワーズは、2021年にウィルトシャー博物館と共同で企画した展覧会からの延長で研究を続けている最中に、写真アルバムの中からこの写真を見つけたという。

エドワーズの研究は、絵画や写真から工芸品や思い出に至るまで、ウィルトシャーの過去と人々の関わりを刺激する日常的な情報源をモニターすることにありました。ウィルトシャーにある有名なストーンヘンジの初期の写真を追っていたとき、彼はレッド・ツェッペリンによって有名になったこの写真に出会いました。

『Led Zeppelin IV』で実際に使われた絵画は、ロバート・プラントがバークシャー州パングボーンにあるジミー・ペイジの家の近くにある骨董品店で手にいれたもので、オリジナル写真を着色し、額に入れられたものでした。

オリジナル写真は『Reminiscences of a visit to Shaftesbury. Whitsuntide 1892. A present to Auntie from Ernest(シャフツベリー訪問の思い出1892年夏至祭。アーネストから叔母へのプレゼント)』と題されたビクトリア朝時代(1837年~1901年)の写真アルバムの中から発見されました。この写真アルバムには、ウィルトシャー、ドーセット、サマセットの農村で働く人々のポートレートとともに、100枚以上の建築物や街並みが収められていました。

この写真家は、「薪を背負った老人」の写真の下に「ウィルトシャーの屋根葺き職人」と書いています。

さらに調査を進めると、この屋根葺き職人は1823年にウィルトシャーのミアで生まれ、1893年に亡くなったロット・ロング(時にはロングイヤー)であることが分かりました。写真が撮影された当時、ロングはミアのシャフツベリー・ロードの小さなコテージに住む寡夫(妻を亡くした男性)でした。

一方、写真アルバムに書かれた文章と一致する部分署名から、撮影者は当時リージェント・ストリート・ポリテクニック(現在はウェストミンスター大学の一部)と改名されたばかりの写真学校の初代校長、アーネスト・ハワード・ファーマー(1856-1944)であることがわかっています。

ファーマーの写真は現在、ウィルトシャー博物館に所蔵されており、ヴィクトリア朝時代にイングランド西部で撮影された他の写真とともに、この写真をフィーチャーした展覧会が2024年春に同博物館で開催される予定です。