ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の
キース・リチャーズ(Keith Richards)は、英テレグラフ紙のインタビューの中で、ポップミュージック、特にラップは好きではないと語る。また、新作に
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)が参加していること、
チャーリー・ワッツ(Charlie Watts)との関係が終わったわけではないこと、年を取ること&クリーンな生活について、新作リリース後のツアーについても語っています。
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(以前のインタビューから)リチャーズは飲酒の習慣も変わった。当時、私は彼がシラフであるのを見たことがなかった。彼が好んで飲んでいたのは、ウォッカとオレンジソーダを混ぜたようなものだった。「ああ、核廃棄物ね」と彼は懐かしそうにうなずいた。「もうやめたよ。もう十分だよ」。
ハードドラッグ、車の事故、家の火事、法律との衝突など、ロックンロールの派手さを体現しているにもかかわらず、リチャーズはなぜかいつも無傷でいる。ここ数十年、彼はクリーンな生活を受け入れている。
「タバコは2019年にやめたんだ。それ以来触っていない。ヘロインは1978年にやめた。コカインは2006年にやめた。今でもたまに飲みたくなるが、それ以外は、ストレートであることを楽しもうとしている。それは俺にとってユニークな経験なんだ。
僕は恵まれているのかもしれない。これが続いているのはね。“これ”は多くの罰を与えてきた肉体のことだ。今のところ、年を取ることに何の問題もない。将来、恐ろしいことが起こるかもしれない。80歳になっても、まだ歩けるし、しゃべれる。(歳をとることは)魅力的なプロセスだと思う。でも、もしそうでなかったら、自殺した方がいいかもしれない」
最後に話をした2018年、リチャーズにバンドの長い活動に終止符を打つものはなにかと尋ねると、彼の答えは明白だった。「誰かが倒れること」。2021年、ドラマーのチャーリー・ワッツの死によってそれは現実のものとなったが、生き残った3人はストーンズとして活動を続けている。ワッツが、新しいアルバムでドラムを担当するスティーヴ・ジョーダンという後継者をすでに指名していたことも助けになった。
「まるで彼がチャーリーの祝福を受けてやって来たかのようだ」と語るリチャーズは、今もワッツのことをよく考えていると言う。
「チャーリーは俺の一部であり、俺たちは同じことをしてきたので、彼は亡くなったけれど、俺は今でも質問があるたびに彼と話している。俺は“チャーリーなら何て言うだろう?”と考えて、その返事を待つんだ。亡くなったからといって、終わったわけじゃない」
新アルバム『Hackney -Diamonds』にはポール・マッカートニーがゲストとして参加している。
「たまたまポールがその街に来ていたんだ。じっとしていることはできなかった、ありがたいね。ビートルズのひとりを自分の曲に参加させられるなら、やるしかないだろ。ポールは一緒に演奏するにはとても愛想のいいヤツなんだよ」
ビートルズ対ストーンズの対立は、バンドそのものというよりも、常にファンの問題であったことは間違いない。前者のメロディアスな曲作りに共感するか、後者のロックンロールの反骨精神に共感するかという問題であり、その区別はあまり精査に値しないとリチャーズは言う。
「ジョン・レノンも、ジョージも、ストーンズになじむのに、それほど問題はなかったと思う。俺たちは同じ世代で、みんな同じ音楽を愛していた。初めてビートルズを聴いたとき、自分たちと同じ道にイギリスの他のバンドがいることに安心した。そして数カ月もしないうちに、その道がメインの道になっていたんだ」
リチャーズはブルース、ジャズ、クラシックなど多くの音楽を聴いているが、しかし、彼がポップチャートをチェックすることはないだろう。
「ポップミュージックに文句をつけたくはない」と彼は言うが、その誘惑に負けてしまう。
「(ポップミュージックは)いつもくだらない。つまり、そこがポイントなんだ。彼らはできるだけ安く、できるだけ簡単に作るので、いつも同じように聴こえる。感じるものがほとんどない。俺は、楽器を演奏している人たちの音楽を聴くのが好きなんだ」
ラップに関しては、彼を巻き込まないでほしい。
「ラップのことは、みんなに“これは音楽だ”と怒鳴られたり、言われたりするので、あまり好きじゃない。 家から一歩も出なくても、それで十分なんだ」
新アルバムのリリース後には、まだ発表されていないツアーが予定されており、それを考えるとリチャーズの顔に笑みが戻る。
「これらの曲をステージで聴きたくてたまらないんだ」「ミュージシャンというのは奇妙な集団だが、いい仲間と一緒に演奏していれば、ミュージシャンの人生もなかなかいいものだよ。魅力的な旅......まだ終わっていない」