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デヴィッド・ボウイの盟友マイク・ガーソンが選ぶ「デヴィッド・ボウイの名曲10選」

2023/08/31 16:56掲載
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David Bowie and Mike Garson
David Bowie and Mike Garson
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の長年のピアニスト、マイク・ガーソン(Mike Garson)が選ぶ「デヴィッド・ボウイの名曲10選」。英Classic Rock誌の企画で選んでいます。

ガーソンは「50曲は挙げられるよ。今日思い浮かんだ曲だ。明日聞けば、違う曲のセットになるだろう」と前置きをして、9曲を選んでいます。

■Changes (Hunk Dory, 1971)

「デヴィッドのオーディション曲は“Changes”だった。そして、2006年に彼と一緒に演奏した最後の曲も“Changes”だった。だから個人的なつながりがあるんだよ。素晴らしい曲だ。素晴らしいコード・チェンジがあって、曲名が“Changes”なのが面白い。(オリジナル・スタジオ・ヴァージョンで演奏した)リック・ウェイクマンはこの曲で素晴らしい演奏をした。僕はそれをジャズの感性で発展させただけだよ。

この曲は深みのある曲で、彼が子供の頃に書いたときと後で歌ったときとでは意味が違っていた。デヴィッドにはたくさんの層があった。だから僕たちは今でも彼の音楽を愛しているんだ」。



■Starman (The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars, 1972)

「オリジナルにはピアノがなかった。彼は何でも自由にやっていいと言ってくれた。そう言ってくれたのは彼だけだ。その後、他の人たちと一緒に演奏してきたけど、その人たちは僕を引き戻すようなことを言っていた。“もっと少ない音数で演奏できないか”とか、“こんなことできないか”とかね(笑)。“ふざけんな、デヴィッドは気にしてなかったぞ!”と思ったよ。彼は雇った僕を信頼していたんだ」



■Life On Mars? (Hunky Dory, 1971)

「スタジオで演奏しなかった曲の中で一番好きな曲だよ。ある意味では、この曲は彼のベストソングかもしれない。50年前にハマースミス・オデオンで行われた(ジギー・スターダストの)最終公演の前に、序曲の一部として演奏した。彼はステージに上がる前に緊張していて“序曲でライヴを始めてくれないか”と言ったので、僕は“もちろん”と言って、続けて“Space Oddity”、“Ziggy Stardust”、“John, I'm Only Dancing”、“Life On Mars?”を演奏した。もちろん僕も演奏する直前は神経質になっていた。終わった後、彼は自分のこと以上に僕のために緊張していたと言っていたよ」



■Aladdin Sane (Aladdin Sane, 1973)

「正直に言おう、“Aladdin Sane”は僕のキャリアを作ったんだ。じつは、あの曲のソロは僕の最初のテイクではなかった。最初のテイクはブルースのソロだった。そしたらデヴィッドが“ありきたりすぎる”と言ったので、それでもう一度、ラテン・ソロを弾いてみた。すると彼は“そうだ、みんなそうすればいい。クラシックとジャズの知識を全部使ったワイルドでアバンギャルドなものを演奏してくれ”と言った。僕は“それだと『サタデー・ナイト・ライブ』では演奏できない”と言うと、彼は“それは僕に任せてくれ”と言った。彼は皆に自分らしくいることを許可したんだ」



■Sweet Thing/Candidate (Diamond Dogs, 1974)

「なんて素晴らしい曲なんだ。アルバム『Diamond Dogs』にはスパイダース(フロム・マーズ)が参加していなかったから、とても鮮明な思い出がある。ドラムにトニー・ニューマン、ベースにハービー・フラワーズがいたけど、基本的には僕とデヴィッドだった。彼はギター・パートを弾いた。あのアルバムでは、僕たちは一緒に共同制作をしていた。彼は僕に自由を与えてくれた。僕が何をプレーしても、彼は気に入ってくれた」



■Can You Hear Me? (Young Americans, 1975)

「このアルバムは大好きだよ。彼の歌声は、おそらくどのアルバムよりも『Young Americans』の方がいい。(ギタリストに)カルロス・アロマーがいて、(バック・ヴォーカルに)ルーサー・ヴァンドロスがいて、音楽はファンキーでソウルフルだった。ただそこに座ってジャムするだけで、そこから曲が生まれた。その場で書いていたんだ。僕がその場にいなかったとき、何があったのかはわからない。僕は結婚していたし、ドラッグを使ったこともない。音楽がすべてだ。僕がそこにいた時、デヴィッドは音楽に集中していた」



■Jump They Say (Black Tie White Noise, 1993)

「『Black Tie White Noise』はデヴィッドのアルバムの中で一番好きなアルバムではないけど、“Jump They Say”はとても気に入っているよ」



■The Motel & Strangers When We Meet (Outside, 1995)

「『Outside』は、僕が知る限り、彼がこれまでに作った中で最もクリエイティブなアルバムだった。デヴィッドは自分自身に戻ることができて喜んでいた。彼は80年代は自分にとっては辛かったと言っていた。彼は自分の誠実さを損なったと感じていた。僕たちは何週間も即興演奏をやって、それから彼とブライアン(イーノ)がそれを曲にしたんだ」

Q:『Outside』は人々を当惑させた。なぜ人々は以前のアルバムのように反応しなかったのでしょうか?

「難しいアルバムだからね。人々にとっては高度すぎる。チャック・ベリーやロックンロール・ミュージックを思い浮かべてから、“A Small Plot Of Land”を思い浮かべてみてほしい。でも(リリースから)25年、30年経った今、人々はそれを理解し始めている。僕はピアノを教えていて世界中に生徒がいる。もちろん彼らはボウイのおかげで僕のところに来る。『Outside』は彼らと語るアルバムなんだ」



■The Loneliest Guy (Reality, 2003)

「9.11の後だったから、アルバム『Reality』は深みがあった。彼は“The Loneliest Guy”が生まれた経緯について話してくれた。彼はブラジルに建設された街について何かで読んだか見たかしたことがあった。彼らは何年もかけてその街を作ったのに、誰もそこに移り住まなかった。ピンとくるかどうかわからないけど、全然あり得る話だよね?

だから、そういう雰囲気がするんだ。当然、僕はピアノの低音部に行き、暗いキー、確か変ホ短調だったと思うんだけど、弾き始めた。それがこの曲だった。 ピアノと声と、ジェリー・レナードによるアンビエント・ギターだ」