ビートルズ『サージェント・ペパーズ』のアルバム・カヴァー　写真撮影にポールが参加していなかったという俗説を否定する写真がオークションへ

史上最も有名なアルバム・カヴァーのひとつである、ビートルズ（The Beatles）『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』。その写真撮影にポール・マッカートニー（Paul McCartney）が参加していなかったという俗説を否定する写真がオークションに出品されます。

この写真（写真下）は、同作のアルバム・カヴァーの撮影のために、ビートルズの他のメンバーと共にポーズをとっているポールの姿を写したものです。


Photograph: Wessex Auction Rooms/SWNS

この写真は39年前のプレス用資料セットのために用意されたもので、オークションにはEMIの元広報部長ブライアン・サウスオールのメモも一緒に添えられています。

『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』のリリース後、ポールはバンド内の緊張のため、ロンドン南西部のチェルシーで行われた撮影に参加せず、ジャケットには彼の姿が加えられたのではないかという噂が流れました。またアルバムの裏ジャケットに使われた別の写真にはポールらしき人物が写っていますが、後ろからしか撮影されていなかったため、ポールはその場にいなかったという説を強めていました。

今回オークションに出品されているプレス用資料セットは、1984年にEMIが企画した未発表曲集のプロモーション用に制作されたものです。写真は、アルバムの裏ジャケットに使われた写真に似ていますが、この写真にはポールの横顔が写っており、ポールがフォトセッションに参加していなかったという噂を否定するものだとオークション主催者は説明しています。

プレス用資料セットには写真だけでなく、EMIのレコード・レーベルのスタッフが、このコレクションをリリースすることを決めた理由についての質問をかわすための質疑応答ガイドも含まれていました。

中には「あなたは、ビートルズがリリースを意図していなかった楽曲をリリースすることで、ビートルズから搾取したり、金をむしり取ることに罪悪感を感じないのですか？」という質問もありました。

提案された答えは「ビートルズから金をむしり取ったのは海賊版業者や偽造者であり、この音源の法的所有者であるEMIではない」でした。結局、コレクションはリリースされませんでした。

オンライン・オークションは、イギリスのオークション会社Wessex Auction Rooms主催で8月18日に開催されます。プレス用資料セットの落札予想価格は5,000ポンド～7,000ポンド（約92万円～約130万円）。

なお、ポールがその場にいたことを示す写真は他にもあり、彼がその日スタジオにいたという証言もあります。ポールの横顔が写っている写真は、アルバムの再発盤にも収録されています。