David Bowie / REBEL REBEL 40th ANNIVERSARY 7” PICTURE DISC
曲の冒頭を飾るギターは、
デヴィッド・ボウイ(David Bowie) 「Rebel Rebel」からそのまま引用するなど、カントリー・スター、
クリス・ヤング(Chris Young) の最新シングル「Young Love & Saturday Nights」は「Rebel Rebel」をフィーチャーしています。ボウイは、この曲のソングライターとしてクレジットされており、カントリー・ミュージックに好意的でなかったと言われているボウイの数少ないカントリー・ミュージックへの進出作のひとつとなっています。
2002年、ボウイは米ラジオ局NPRのテリー・グロスに「僕が聴かなかった唯一の音楽は、カントリー&ウエスタンだったと思う。簡単に言うとそうなんだ。僕が聴かなかった音楽は、ほとんどそれだった」と話していました。
では、2016年に亡くなったボウイは、なぜこの曲に参加することになったのでしょうかだ? 米ABCニュースが関係者に話を聞いています。
ワーナー・チャペル・ミュージックは、2022年にボウイの膨大な音楽カタログを購入した際に、「Rebel Rebel」を含む400曲以上のボウイ楽曲の権利を取得し、ボウイの音楽レガシーの管理者となりました。
ワーナー・チャペル・ミュージック・ナッシュビルの社長兼最高経営責任者(CEO)であるベン・ヴォーンによると、彼のチームはソングライターのジェシー・フレジャーに「ボウイのカタログの要素を使ってクリエイティブに新しいカントリーソングを書いてほしい」と依頼したという。彼は最終的に「Rebel Rebel」を挿入することに決めて、アシュリー・ゴーリーとジョシュ・トンプソンと共にデモを完成させます。
フレジャーは「ボウイのエステートとワーナー・チャペルから、彼のカタログをクリエイティブに探求してほしいと連絡を受けたのはエキサイティングなことだった。私にとってのインターポレイション(挿入)は、自分のヒーローたちに敬意を表す方法であり、彼らの音楽を新しい観客に紹介する方法なのです」と述べ、またボウイの音楽が「カントリーというジャンルで聴かれる」ことは名誉なことだと付け加えています。
ワーナー・チャペル・ミュージックのA&Rエグゼクティブであるスペンサー・ノヘは、ヤングのチームにこの曲を売り込みます。ヤングは多くの曲を自分で書いていますが、この曲のデモを初めて聴いたとき、レコーディングしたいと思ったという。
ヤングはAP通信に「多くの人が共感できる普遍的なテーマに取り組んでいる。それがこの曲の最終的なゴールだ。デヴィッド・ボウイのカタログがピックアップされ、このような特別なことをしようと決め、ソングライターとして彼をクレジットしたことは、本当にクールなことだよ」とコメントしています。
では、ボウイ自身はこのコラボレーションをどう思っているのでしょうか?
UCLAの音楽産業プログラム・ディレクターでボウイに詳しいティファニー・ナイマンは、「彼はカントリー・ミュージックを含め、アメリカのある部分と非常に難しい関係にあったと思います。カントリー・ミュージックは彼の好みではなかったかもしれませんが、だからといって彼がカントリー・ミュージックを聴かなかったわけではありません」と言い、彼女は、ボウイがカントリー・スターとしてキャリアをスタートさせたエルヴィス・プレスリーを愛したという記録があること、そして1971年の『Hunky Dory』セッションで録音され、1972年の『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』でリリースされた、ロン・デイヴィスのカントリー・ソング「It Ain't Easy」のカヴァーを考慮するようリスナーに促しています。
ヤング自身は、自分の曲が「デヴィッド・ボウイを新しいジャンルに導いた」とは思っていないとAP通信に語っています。ヤングは、ボウイはカントリー・ミュージックに夢中にならなかったかもしれないが「カントリー・ファンに“デヴィッド・ボウイって知ってる?”と聞けば、彼らは曲名を挙げるだろう。たとえ知らなくても、その名前の重みを認識しているはずだよ」と付け加えています。
●クリス・ヤングの最新シングル「Young Love & Saturday Nights」のミュージックビデオ
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●デヴィッド・ボウイ「Rebel Rebel」
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