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ブライアン・メイ 参加型楽曲がクイーンの未来をどのように形作ったか/ヒット曲に埋もれてほしくなかった曲/評価するのに一番時間がかかった曲など語る

2023/07/25 18:55掲載
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Queen
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クイーン(Queen)ブライアン・メイ(Brian May)は、サイトvultureのインタビューの中で、クイーン楽曲についてのさまざまな質問に答えています。「参加型楽曲がクイーンの未来をどのように形作ったか」「“We Will Rock You”や“We Are the Champions”と同じような二部作の曲」「ヒット曲に埋もれてほしくなかった曲」「物理学に最も影響を受けた曲」「評価するのに一番時間がかかった曲」「クイーンの論文の主題文(※その論文で最も伝えたい主張)にもなる曲」

Q:参加型楽曲がクイーンの未来をどのように形作ったか

「僕たちが始めた頃は、観客が一緒に体験する参加型のコンサートは一般的ではなかった。レッド・ツェッペリンのコンサートに行って一緒に歌うなんてことはなかった。クールじゃなかった。ブラック・サバスもそうだった。だから、みんなが僕らの曲で歌い始めたとき、僕らの最初の反応は“なんで聴かないんだ?何が間違っているんだ?”だったんだけど、それがとてつもないものになっていった。ある出来事がスタフォードシャーのビングレイ・ホールで起こった。観客は歌うのを止めようとしなかった。彼らはすべての曲のすべての音、すべての言葉を歌った。僕たちがステージを降りても、彼らは歌い続けた。僕たちはただ顔を見合わせ、“これは新しい。これは新しい現象だ。これと戦うべきではない。僕たちは受け入れるべきなんだ”と思った。

観客が詰め込まれ、ほとんど身動きがとれなくなったときに何ができるかを想像しながら“We Will Rock You”を書いた。観客に何ができるだろうか?足を踏み鳴らしたり、手を叩いたり、大合唱したり。フレディは“We Are the Champions”を書いた。この2曲は、観客がライヴの一部になるように意図的に作られたものだ。実際、観客をライヴの一部に招き入れたんだ。それ以来、僕たちはライヴをインタラクティブな体験にすることに全力を注ぐバンドになった。それは今も続いている。面白いことに、今ではあらゆる音楽で一般的になっている。だから誇りに思っている。それは僕たちが先駆的に取り組んできたものだからね」

Q:「We Will Rock You」や「We Are the Champions」と同じような二部作の曲

「これほどぴったりくる曲のセットは他にないと思う。“Bicycle Race”と“Fat Bottomed Girls”は似たような発想で生まれた。つながりがあるから、コンサートでリンクさせることもある。どちらも南フランスでレコーディングしていた頃に書かれたものだよ。ツール・ド・フランスが開催されていた時期で、コンセプトがごたまぜになっているんだ。“We Will Rock You”“"We Are the Champions”については、うまくいっている。ほとんどそのようにデザインされていた。現実の世界でそうなるずっと前から、僕の頭の中ではそうなっていた。

面白いことに、バンド内ではこの曲について何度も揉めたんだ。“We Will Rock You”が『News of the World』の冒頭を飾るべきだというのは、あまり合意されていなかった。バンド内では誰も演奏しないし、オープニング・トラックとしてはふさわしくないという意見もあった。でも、僕は押し切った。この時ばかりは僕が議論に勝ち、次の曲は“We Are the Champions”だった。素晴らしい組み合わせだった。“We Will Rock You”はとてもギザギザしていて、オープンで問いかけてくる。そして“We Are the Champions”は、もう一方の曲が目指していたものを完璧に実現している。最初にこの2曲を組み合わせたときは、天国のような組み合わせだと思った。でも、シングルを作ることになったとき、僕はその議論に負けた。バンドの民主的な結論は“We Are the Champions”をシングルに、“We Will Rock You”をB面に、というものだった。でも、実際に起こったことは、アメリカ人がこの曲を手に入れた途端、自分たちでプレスするようになり、人気投票によって逆になってしまった。僕は、ラジオから流れるこの組み合わせのサウンドが大好きだったから、そのことが嬉しかった。僕にとっては決して古くならない。いつも新鮮で、期待に応えてくれる」

Q:ヒット曲に埋もれてほしくなかった曲

「もちろん、クイーンはグレイテスト・ヒッツ・アルバムで聴ける以上の存在だった。クイーンには、Spotifyで10億再生を超えた曲が5曲もある。グレイテスト・ヒッツからのものだね。でも、それとは別問題なんだ。僕たちには、アルバムというフォーマットで音楽を作ってきたキャリアがある。アルバムには多くの深みがあるんだ。

ある意味、もっと注目されればよかったと思うものは山ほどある。“The Prophet’s Song”が一番有力かな。“Bohemian Rhapsody”の対極にある作品で、同じアルバムに収録されている。僕たちはどちらもメジャーな作品だととずっと思っていたけれど、“Bohemian Rhapsody”はラジオで取り上げられ、代表曲になった。“The Prophet’s Song”が何を意味するのかを本当に知っているのは、長年クイーンの深みにどっぷりハマっている一部の人だけだ。だからと言って、不幸だと言うつもりはない。本当にそうなんだ。のめり込んでいる人たちは、とてものめり込んでいる。彼らはそれを理解している。彼らは“The Prophet’s Song”を“Bohemian Rhapsody”と同じくらいクイーンの大事なものとみなしている。でも、この曲は10億再生には遠く及ばない。アルバムに収録されているだけ。でも、本当にクイーンにハマりたいと思っている人たちは、それが何であり、何であるかを知っている。

ヒットした曲は、どれも嬉しい。クイーンのディープな曲については(選ばれた少数者にだけ伝えられる)秘儀のようになってしまったけど、ヒット曲を持つことを非難することはできない。ティン・パン・アレーの古い諺に“ヒットはヒットだ”というのがある。ヒット曲は人々の心を掴み、彼らの人生に永遠に刻み込まれるという事実に異論はない。その曲を聴くたびに、感情の洪水が体に戻ってくる。それは貴重なことだ。僕たちは多くのヒット曲を持っていて、それは人々の人生と結びついているし、これからもそうあり続けるのはとても光栄なことだよ。僕たちはコンサートで、どんな曲でも最初の数音を弾けば、すぐに感情的な反応を感じることができる。素晴らしいよね」

Q:物理学に最も影響を受けた曲

「思い浮かぶのは“’39”だね。この曲は、未来に歌われる民謡のように聞こえるように作られた。人類が存在するための新しい世界を見つけようとする人々の物語だ。彼らは光速に近いスピードで進む。アインシュタインの時間膨張効果のせいで、彼らは地球にいる人と同じ速度では年を取らない。僕は、宇宙飛行士が帰還するまでに、彼らは1歳しか年を取らないけど、地球上のすべての人は100歳年を取るように設計した。宇宙飛行士は戻って来て、妻と家族を探す。彼らはもうおらず、代わりに彼は自分の子孫を見る。それがこの曲のテーマで、科学的な着想を得ている。僕は、これは本当に起こりうることだと思った。これはSFではない。科学的事実かもしれない。もし愛する人がすべていなくなり、孫やひ孫を見たらどう感じるだろう? それはどんなにすごいことなんだろう。厳密にはSFなんだろうけど、可能性の範囲を超えない話なんだ。

僕以外に、時間の遅れの歌詞を書いた人を知らない。僕はアートとサイエンスの狭間にいるようなこの仕事が好きなんだ。子供の頃、そんなことはできないと言われたからね。“芸術家か科学者か、どちらかを選ばなければならない”と言われた。僕は選びたくない。自分の人生をすべてで満たしたいんだ。天文学者になると決めたら、なぜ音楽から自分を切り離さなくてはいけないのか? もちろん、それはナンセンスだ。なぜそんなことを言われるのかわからない。アイザック・ニュートン以降の偉大な天文学者のほとんどは、音楽家でもあった。僕のように天文学に魅せられているミュージシャンはたくさんいる。だから、僕は天文学に全力で取り組んだんだ」

Q:評価するのに一番時間がかかった曲

「“Don't Stop Me Now”だね。初めて聴いたとき、いい曲だと思った。でも、僕たちの他の多くの曲と比べると、とても軽くてふわふわしている。そこには無謀さの表れもある。当時、フレディは別世界にズームアウトしていた。僕たちは彼が危険にさらされているかもしれないと感じていた。だから心の奥底で、この曲に対するブロックがあったんだと思う。シングルにはしたくなかった。当時の僕たちを象徴しているとは思えなかった。実際にはかなり代表的なものになったわけだから、これは理にかなっていなかった。この曲は、ある意味で壮大なアンセムだと理解するまでに長い時間がかかった。人々をやる気にさせ、人々に喜びをもたらすのだから、なぜ僕がその邪魔をするのか? 今では“Don't Stop Me Now”を偉大なクイーン・アンセムのひとつとして受け入れているよ。そして、それは引き継がれた。何年もの間、この曲はどんどん上昇を続け、クイーンで最も演奏された曲の一つとして “Bohemian Rhapsody”や“Another One Bites the Dust”と肩を並べるまでになった。

パーティーでこの曲を聴くようになって、僕の気持ちは変わった。“Don't Stop Me Now ”を聴いたとたんに、みんなが息を吹き返したことに気づいた。彼らは燃え上がる。笑顔になる。これは本当にいい曲だ。これは本当にいい曲だ。わがままを言えば、この曲で僕ができることはあまりなかった。バンドをやっていれば、そういうこともある。この曲はピアノ、ドラム、ベース、ヴォーカルで構成されている。ただ、真ん中にギターがヴォーカル・ラインを引き継ぐところがある。僕はそういうことが好きなんだけど、この曲の中に有機的に組み込まれているとは感じなかった。それも、最初はそれほど真剣に取り組まなかった理由のひとつかもしれない」

Qクイーンの論文の主題文(※その論文で最も伝えたい主張)にもなる曲

「誰もが“Bohemian Rhapsody”だと言うと思うけど、おそらくそうだろうね。この曲には、僕たちが何であり、何をしてきたか、そして僕たちの夢が何であったのかが凝縮されている。クイーンの音楽にはたくさんの側面がある。僕たちは、自分たちが革新できると信じて、多くの分野に足を踏み入れた。“Bohemian Rhapsody”にはたくさんの内容が充実している。僕たちは、変化、革新、新しい自由の雰囲気の中にいたからこそ、ごく初期には頭の中にビジョンがあり、集団的な夢を持っていた。誰もがそうであるように、僕たちも影響を受けながら成長したけど、ちょうどロックンロールが生まれたときに成長できたのは幸運だった。僕はそのことに永遠に感謝するだろう。リトル・リチャードを初めてラジオで聴けたこと、バディ・ホリーやエルヴィス・プレスリーを聴けたことは、僕たちの世代が声をかき立てる始まりだった。

僕たちにはソングライターになるという夢があった。クリエイターになる。そしてその根底には、とても難解で、スリリングで、ヘヴィで、挑戦的なものがあるはず。僕たちがグループとして進化し始めたとき、ヘヴィ・ミュージックが生まれつつあった。それまではなかった。今はヘヴィ・ミュージックがなかった世界を想像するのは難しい。今はバディ・ホリーをヘヴィとは言わないけど、当時は彼が最先端で危険だと思われていた。ある意味、そうだった。

シャドウズがヘヴィだとは思わないだろう。純粋なインストゥルメンタル・ミュージックだけど、当時はとてもエッジが効いていた。とても危険で、とてもエキサイティングな感じがした。僕たちはそのすべてを求めていた。ジェフ・ベックの『Truth』やレッド・ツェッペリンのファースト・アルバム、あるいはブラック・サバスのファースト・アルバムに見られるような、新しいもののベースとなる層が欲しかったんだ。僕たちは、それを基盤にしたかったんだ。メロディとハーモニーと曲調で、人々を感動させ、物語を語り、今まで感じたことのない何かを感じさせたった。それは大きな夢だった。僕たちは一丸となって、ファースト・アルバム以降、その夢の実現に取り組み始めたんだよ」