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大英図書館 発掘されたビートルズ初期の未発表ライヴ音源を入手 サウンドアーカイブとして公開中

2023/06/27 13:12掲載
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The Beatles
The Beatles
英国の大英図書館は、今年発掘されたビートルズ(The Beatles)初期の未発表ライヴ音源を入手。現在、大英図書館のサウンド・アーカイブの一部となっており、同図書館の閲覧室の利用者がアクセスすることができます。

これは、1963年4月4日に英バッキンガムシャーにあるストウ・スクールの劇場でコンサートを行った際の音源で、英国におけるビートルズのライブ・パフォーマンスの最も初期の記録です。

英BBCによると、このコンサートは、同校の生徒のデイヴィッド・ムーアズがマネージャーのブライアン・エプスタインに手紙を書いて実現したものでした。ムーアズの家族がサッカー賭博と小売業を経営していたことをエプスタインはおそらく認識していたため、100ポンドで公演を行うことに同意し、ムーアズは学友にチケットを売ることで資金を調達しました。

録音したのは同校の生徒で当時15歳の少年、ジョン・ブルームフィールドでした。ブルームフィールドは、自他ともに認める技術オタクで、新しいオープンリール式テープレコーダーを試したがっていました。彼は学校の劇場で舞台制作に携わっており、ステージ前方にマイクを設置して、この公演を録音しました。

現在70代の彼は、英BBC Radio 4の番組『Front Row』のラジオDJを務めるサミラ・アーメドが、ストウの60周年記念コンサートを今年取材した際、このテープの存在を初めて明かしました。

ビートルズは当日、1時間で22曲以上を演奏しました。テープには、当時のレパートリーであるR&Bのカヴァー、そして2週間前の3月22日に発売されたばかりのデビュー・アルバム『Please Please Me』の楽曲も含まれています。

ブルームフィールドではこのテープを大英図書館に寄贈し、6月20日からセント・パンクラスとボストン・スパにある図書館の閲覧室からこの録音にアクセスできるようになりました。この録音の現物は、大英図書館が所蔵する豊富なビートルズの記念物と並んで展示されています。

ブルームフィールドはプレスリリースでこう話しています。

「ストウにはリバプールから来た人がいて、ビートルズというバンドをイースターのコンサートに招いて演奏させるべきだと言っていた。率直に言って、彼らが誰なのか知らなかったし、しかも2時間のショーに100ポンドという大金を要求してきたのだから、ちょっと無理な要求だった。先生たちを説得する必要があったが、最終的には“Love Me Do”がチャート入りし、誰もがバンドを見たいと切望していたため、先生たちは承諾せざるを得なかった。僕はレコーディングをしたが、時が経つにつれて忘れてしまった。今、ビートルズ・ファンの皆さんにこの音源を聴いてもらい、ビートルズのライヴがいかにエキサイティングなものであったか、特にあの特別な夜がいかにエキサイティングであったかを知ってもらうことができて感激しています」

以下は、この録音を紹介した『Front Row』のオンエア音源