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ポール・マッカートニー AIを使って「ビートルズの最後の曲」を制作 2023年内リリース

2023/06/13 19:13掲載
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The Beatles
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ポール・マッカートニー(Paul McCartney)は、人工知能 (AI) を使って「ビートルズ(The Beatles)の最後の曲」を作ったことを明らかにしています。

ポールは、英BBC Radio 4の番組で、このテクノロジーを使って、古いデモからジョン・レノン(John Lennon)の声を抽出し、曲を完成させたと語りました。「完成させたばかりで、今年中にリリースされる予定」と彼は説明しています。

ポールは曲名を明らかにしていませんが、英BBCなどは、1978年にジョンが作曲した「Now And Then」である可能性が高いと報じています。

この曲は、1995年、ビートルズのアンソロジー・シリーズを制作していた際、すでに「リユニオン・ソング」の候補として検討されていました。

ポールは、その1年前にオノ・ヨーコ(Yoko Ono)からデモを受け取っていました。1980年にジョンが亡くなる直前に作った『For Paul』と書かれたカセットに収録されていた数曲のうちの1曲でした。

この曲は、ジョンがニューヨークのアパートでピアノの前に座り、ラジカセで録音したもので、ローファイで初期的なものでした。

プロデューサーのジェフ・リン(Jeff Lynne)によってクリーンアップされたそのうちの2曲、「Free As A Bird」と「Real Love」は完成し、1995年と96年にビートルズにとって25年ぶりの「新曲」としてリリースされました。

当時、「Now And Then」のレコーディングも試みましたが、セッションはすぐに中止されました。

ジェフ・リンは後に「この曲は、ある日の午後、本当にいじくっていた。この曲は、サビはあるんだけど、ヴァース(※サビに入るまでの導入部分/Aメロ的なもの)がほとんどない。バッキングトラックを作ったんだけど、本当に完成しなかったんだ」と当時を振り返っていました。

ポールは後に「タイトルはあまり良くなかったし、少し手直しが必要だったけど、美しいヴァースがあって、ジョンが歌っていた。でも、ジョージ(ハリスン)は気に入らなかった。ビートルズは民主主義だから、僕らはそれをやらなかったんだ」とQ Magazineに語っていました。

また、オリジナル・レコーディングには技術的な問題があったと言われており、ジョンのアパートの電気回路から発生する「ブーン」という音が持続的に入っていたようです。

ポールは、この曲を完成させたいという思いを繰り返し語ってきました。2012年、BBC Fourのジェフ・リンに関するドキュメンタリー番組で、彼は「あの曲はまだ残っているんだ。だから、ジェフと協力してやってみようと思っている。近いうちに完成させるつもりだよ」とも話していました。

そして現在、新しいテクノロジーは、その目標を達成するチャンスを与えてくれたようです。

ピーター・ジャクソンが監督したドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ:Get Back』では、ダイアローグ編集者のエミール・ド・ラ・レイがコンピューターにビートルズの声を認識させ、バックグラウンドノイズや楽器から分離し、「クリーン」なオーディオを作成するよう訓練しました。

同じプロセスで、ポールは最近のツアーでジョンとヴァーチャル・デュエットし、昨年はビートルズのアルバム『Revolver』の新しいサラウンドサウンドミックスを制作することもできました。

ポールはRadio 4の番組で、こう話しています。

「彼(ジャクソン)はジョンの声を、ほんの少さなテープから取り出すことができた。ジョンの声とピアノがあって、それをAIで分離することができたんだ。機械に“これが声だ。これはギターだ。ギターをなくしてくれ”とね。ビートルズの最後の曲を作ることになったとき、ジョンが持っていたデモから、このAIを通してジョンの声を取り出し、純粋なものにすることができた。そうすれば、通常と同じように曲をミックスすることができる。ある種の自由度があるんだよ」

しかし、ポールは、AIの他の応用が心配の種であることも話しています。

「僕はインターネットをあまり利用しないけど、みんなは僕に“そうそう、ジョンが君の曲を歌っている音源がある”と言うだろうね、それはただのAIなんだよ。ちょっと怖いけどワクワクする、未来のことだから。それがどこにつながっていくのか、見ていくしかないね」