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イアン・ハンター モット・ザ・フープルを救ったボウイとの関係を振り返る「素晴らしい人だったけど一緒にいたいような人ではなかった」

2023/04/05 18:24掲載
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Ian Hunter & David Bowie (Image credit: Kevin Mazur Archive/WireImage)
Ian Hunter & David Bowie (Image credit: Kevin Mazur Archive/WireImage)
モット・ザ・フープル(Mott The Hoople)の解散の危機を救った曲「All the Young Dudes(邦題:すべての若き野郎ども)」。この曲を提供したのは、彼らのファンだったデヴィッド・ボウイ(David Bowie)でした。モット・ザ・フープルのフロントマン、イアン・ハンター(Ian Hunter)は英Classic Rock誌のインタビューの中で、ボウイとの関係について振り返り、2人は友人ではなかったと語っています。

伝えられている話によると、モット・ザ・フープルの長年のファンであったボウイは、1971年、4枚目のアルバム『Brain Capers』の売り上げが芳しくなく、バンドが解散を検討していると聞いて落胆し、自身のアルバム『Ziggy Stardust...』に予定していた曲「Suffragette City」を提供すると申し出る。バンドがこれを断ると、ボウイは代わりに彼らのために「All The Young Dudes」を書き、モット・ザ・フープル側も気に入り、1972年7月にシングルとしてリリース。イギリスで3位、アメリカではビルボードホット100チャートにランクインし、37位に達した。この曲とアルバムの成功により、モット・ザ・フープルの人気は急上昇し、解散の考えは消えます。

それから51年経った今、ハンターは「All The Young Dudes」について「素晴らしい曲だ。なぜ彼が僕たちにくれたのかは神のみぞ知る。何度も言っていることだけど、僕の手元に、もしあの曲があったら、誰にもあげなかっただろうね」と語っています。

そしてハンターはボウイについてこう話しています。

「デヴィッドとは違うタイプの人間だった。人間というのは、そういうものだ。パーティに行けば、ある人とは仲良くなれるし、別のある人とは仲良くなれない。自分が嫌いだからとか、相手が嫌いだからとかではなく、相手が会計士だからとか弁護士だからとか、そういう理由ではなく、彼は自分とは違うところにいるんだよ。

デヴィッドは、僕が知っている限りでは素晴らしい人だったけど、僕が一緒にいたいような人ではなかった。個人的なことではない。スタジオでは仲良くやっていた。何度か出かけたことはあるけど、僕は簡単に仲間を作らない。仲間を作るとしたら、それは一生ものだ。彼は、途中で出会う多くの人と同じような友人だった。

彼は決断力があり、野心家だった。僕は、ただロックンロールが好きで、それを演奏したかっただけ。でも、デヴィッドはそれ以上のものを見ていて、1日24時間、それに向かって突き進んでいた。彼は僕が一緒にいたいタイプではなかった。でも、バンドに対してはとても寛大で、素敵な人だった。つまり、彼は僕たちを野郎どもにしてくれたんだ。デヴィッドには称賛の言葉しかない」

インタビュアーが「ボウイにも冷酷なところがあった」と指摘すると、ハンターは「あれだけビッグになりたければ、冷酷になるしかない」と答えています。

「僕はそんなこと望んでいなかった。(売れて)1部リーグにいたとき、それが気になった。好きじゃなかった。まず第一に、何年も先の計画を立てなければならないし、それ以外の計画も立てなければならない。音楽でなくなり、ロックンロールでなくなり、ビジネスになった。デヴィッドは自分がモンスターになりたいと思った。いい意味で。そこまで望めば、手に入れることができる。彼には才能があった。

スタジオでの彼は素晴らしかった。彼がアルバムの続きをやりたいと言ったので、やった。僕には全く意味がわからなかった。“こんな曲が書けるんだったら、ここじゃなくて外に出てやるべきだろう。大きな野望を持っているのは君だ”みたいな感じだった。でも、なぜかイギーのために時間を割き、彼はルー (リード) にも時間を割いていた。かなり特別なことだよ」