デヴィッド・ボウイ(David Bowie)は1978年、
フランク・ザッパ(Frank Zappa)のコンサートで
エイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)を観た後、自身のバンドにブリューを誘います。ブリューは、当時、引き抜きを目撃したザッパの反応をもとにしたジョーク画像を、そのストーリーの解説付きでSNSで公開しています。
ジョーク画像:
「天国にいる2人。ボウイ“まだ怒ってる?”、ザッパ“くたばれトム大尉”」
以下、ブリューより
「このジョークを理解できない人のために、ストーリーを説明します:
1978年、僕はフランク・ザッパのバンドの“スタント”ギタリスト兼シンガーとして、初めてヨーロッパ・ツアーを行った。ドイツのケルンで演奏した夜、僕の知らないところでブライアン・イーノが観客として来ていた。ブライアンは、デヴィッド・ボウイが今度のツアーのために新しいギタリストを探していることを知っていた。彼は僕たちのライヴを見た後、デヴィッドに電話をかけ、フランクのバンドのギタリストを見に来るようにと言った。
翌日の夜、僕たちはベルリンで公演を行った。フランクが延々とギターソロを続けるときがあり、僕を含め、ほとんどのメンバーが数分間ステージを離れた。ステージの奥に歩いて行き、モニターのミキシングボードに目をやると、デヴィッド・ボウイとイギー・ポップが立っていた。
すごい!信じられなかった!
僕はデヴィッド・ボウイのところに行き、握手をして“大好きです、たくさんの音楽をありがとう”と言いました。すると彼は“ありがとう、僕のバンドに入らないか?”と言ってくれた。僕はフランクの方を振り返って“あの人と一緒に演奏しているんだけど”と言った。デヴィッドは笑って“うん、知っているよ。フランクのツアーが終わると2週間後に僕のツアーが始まるんだ。夕食を食べながら話そうか”と言っていた。
デヴィッドは僕たちのホテルで会おうと言い、ホテルに戻ると、デヴィッド・ボウイと僕のアシスタントのココ・シュワブがロビーのソファに座っていた。僕が彼らの前を通り過ぎようとすると、彼らは僕にささやいた。“エレベーターで部屋まで行き、数分後に降りてきて、外で会おう。車を待たせてあるんだ”。
それはまるでスパイ映画のようだった。
僕が降りてきて外に出ると、黒いリムジンが待っていた。運転手がドアを開け、僕はデヴィッドとココと一緒に後ろに乗った。デヴィッドはすぐに、今度のツアーの計画、演奏する曲、演出、そして僕のギタープレイをいかに気に入っているかを語り始めた。わくわくしたよ! そして彼はベルリンにあるお気に入りのレストランに連れて行ってくれると言った。
ベルリンには何軒のレストランがあるのだろう?25,000?
レストランに到着し、正面玄関を入ると、一番最初のテーブルにフランク・ザッパと他のバンドが座っていたんだ! 僕たち3人はフランクとバンドと一緒に座った。デヴィッドは、親しみを込めて、僕に合図をして“フランク、いいギタリストだね”と声をかけた。
するとフランクは“くたばれトム大尉(F--- You Captain Tom)”と言った。
(注:“Space Oddity”などに登場するデヴィッドが作り出したキャラクターはトム少佐(Major Tom)だが、フランクはデヴィッドをトム少佐からトム大尉(Captain Tom)に降格させていた)
デヴィッドは“おいおい、フランク、紳士的にやろうぜ”と言うが、フランクは "くたばれトム大尉 "と言った。
この時点で僕はぼう然としていた。デヴィッドが“じゃあ、本当に何も言うことはないのか?”というと、フランクは "くたばれトム大尉 "と言った。
デヴィッドとココと僕は立ち上がり、玄関から出て行った。リムジンに乗るとき、デヴィッドはイギリス人らしく“むしろ、うまくいったんじゃないか!”と言った」