Lou Reed & Metallica / Lulu
メタリカ(Metallica) と
ルー・リード(Lou Reed) が2011年にリリースしたコラボレーション・アルバム『Lulu』。リードの新しい本『The Art of the Straight Line: My Tai Chi』の中で、このアルバムについてのインタビューがいくつか掲載されています。米Loudwireにて、その抜粋が公開されています。
ルー・リードは、先見性のある音楽活動に加え、作家、詩人でもあり、そして太極拳の達人でもありました。『The Art of the Straight Line: My Tai Chi』は、リードが音楽、瞑想、武術について書いた文章をまとめた本です。
メタリカの
ラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich) はこの本の中で、リードとの『Lulu』での仕事についてこう語っています。
「俺たちは、これまで行ったことのないクリエイティブな場所に到達するチャンスを得た。歌詞がそれを刺激したんだ。ルーは俺たちを快適な環境から連れ出してくれた。歌詞は怒り、悪意のあるもの、不器用なもの、そして美しいもので、すべてが理にかなっていた。人間のほとんどすべての感情を持った、まとまりのある作品だった」
『Lulu』のレコーディング中、ウルリッヒは太極拳を通じて、リードの言葉の力をさらに強く感じるようになったという。
「彼の美しいところは、自分の中にあるさまざまなものに対して、決して謝ったり弁解したりしないところ。自分の言っていること、自分のあり方に対して、これほどまでに堂々としている人に会ったことはないと思う...。太極拳はその一部であり、すべてがうまく調和していると思うよ」
『Lulu』の収録曲である「The View」のミュージックビデオを監督したダーレン・アロノフスキーは、こう話しています。
「(撮影中)ルーは泣き出した。ビデオを見てみると、彼は実際に泣いている。それが何だったのかはわからない。素材が彼に迫っていたのだと思うし、かなり強烈な瞬間だった」
また
カーク・ハメット(Kirk Hammett) は『Lulu』制作時のリードとの経験について、こう語っています。
「リードは、アーティストとしての直感を信じ、その場に身を置く方法を教えてくれた。『Lulu』では...俺がギターでやったことの90%近くは、その方法でやったと言える。以前なら、スタジオに入る前に3ヶ月間に作り上げていただろう。自分の仕事への取り組み方が変わったんだ」
また、熱心なヨガの実践者であるハメットにとって、リードの太極拳は他のバンド・メンバーよりも身近に感じられたようです。
「ルーは、俺たちがスタジオにいるとき、昼間からよく出かけていたが、彼がどこに行ったのか知らなかった。ある日、外の空気を吸って瞑想しようと外に出たら、ルーが外で剣を持って技や型をしていた。ルーで、フレッド・アステアか誰かを思い浮かべることはないだろうけど、でも、彼はとても優雅だった」
本の中で、ウルリッヒは『Lulu』が不当に評価されたと感じていることを、こう振り返っています。
「『Lulu』の何が、あのような反応を呼んだのだろう? 俺にはよくわからないが、何年経っても、この作品の良さは健在だ。まだすごいものにしか聞こえない。だから、俺はこの反応を無知としか言いようがない・・・。俺たちのファンを、もっと頻繁に行ってほしい場所に連れていってくれたんだ。
もしかしたら、今、世界で起こっていること、混沌とした状態の中で、この作品を今リリースした方がいいタイミングだったのかもしれない。俺はこのアルバムをとても誇りに思っている。ジェイムズ(ヘットフィールド)と俺は、ある曲について考えていたんだけど、ルーはそれを見渡して“これで終わりだ。このテイクはもうやらない”と言っていた。それは普段の俺らのやり方とは違うんだけど、全体的にとても美しくて素晴らしいものだったよ」
VIDEO