HOME > ニュース >

カンサス「Dust In The Wind(すべては風の中に)」が世に出るまでの軌跡をメンバー語る

2023/01/24 17:12掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Kansas - Dust in the Wind (Official Video)
Kansas - Dust in the Wind (Official Video)
米プログレッシブロック・バンドのカンサス(Kansas)を代表するヒット曲「Dust In The Wind(邦題:すべては風の中に)」。この曲が世に出るまでの軌跡を、バンド・メンバーのドラマーのフィル・イハートやギタリストのリチャード・ウィリアムスが、Ultimate Classic Rockのインタビューの中で語っています。

「Dust In The Wind」は1977年のアルバム『Point of Know Return(邦題:暗黒への曳航)』に収録されています。

当時のギタリスト、ケリー・リヴグレンは「Dust in the Wind」のラフ・ヴァージョンをバンドメンバーに披露したとき、彼は他のメンバーがこの曲を録音したがらないだろうと思っていました。

イハート:
「ケリーが“Dust In The Wind”を演奏してくれた時、僕たちはアコースティックな曲をフルでやったことはなかった。僕らの音楽の中には、アコースティックな間奏曲とかはあったと思うけどね。彼は“これはアコースティックな曲だから、みんなは多分好きじゃないだろうけど”と前置きしてから演奏したんだ」

ウィリアムス;
「ケリーはフィンガーピッキングの練習のためにコードパターンを開発していた...彼はちょっとしたコードパターンを思いついて練習していたら、彼の奥さんが寄ってきて“すごくいいわね、これで曲を作ったらどう”と言った。彼は“いやいや、こういうのはやらないんだ。彼らはあまり好きじゃないだろうし”と言ったものの、でも結局、彼はそうした。彼は曲を書いて、アルバムを作っているときのリハーサルにそれを持ってきた。彼は“もう1曲あるんだ。たぶんやらないだろうけど、とにかく、これだよ”と言って演奏したんだ」

バンドにとって初のヒット曲となった「Carry on Wayward Son」も同様に、1976年の『Leftoverture(邦題:永遠の序曲)』に遅い段階で追加されましたが、アルバムの傑出した曲となりました。

ウィリアムス:
「“Dust”もかなり遅い時期だった。(リヴグレンが)それを演奏して、オープンリールで録音して、歌詞を口ずさんでいた。彼とスティーヴ(ウォルシュ)は歌詞のシートを見ていた。素のままの最初の演奏のときでさえも、歌詞はすぐに聴き取れたよ」

イハート:
「あの場で彼が演奏したことは、僕らの誰もが決して忘れないことだったと思う。最初に聴いた僕らは、ただただ圧倒された。初期の段階から、とても印象的だった。これは特別なものになるということは、すぐにわかった」

しかし、この曲を完成させるのは、指弾きスタイルで演奏することに慣れていなかったウィリアムスにとっても、またスタジオの機材面でも容易なことではありませんでした。

ウィリアムス:
「古いマシンを使っていたから、何も加えることができなかった。最初から最後まで演奏しなければならなかった。編集で入れられるようものではなかったんだ。4人のギターが演奏しているから、(レコーディングは)長いプロセスだった。

翌朝スタジオに向かうと、みんながうなだれていた。僕は“なんてことだ”と言った。古いマシンでは、時々テープを上書きしまうことがあった。“間違って録音を押してしまって、一部を失ってしまったんだ”と思っていたら、彼らは“いやいや、とにかく聴いてみて”と言うんだ。僕が椅子に座り、彼らが電源を入れると、そこにあるのは素晴らしい音だった。バックを除けば、ね...バックには、フィンガーピッキングが弦に当たる音が4つ入っていた。

それは、まるでクライズデール(スコットランドのウマ)が踊っているようだった。(それをやり直す以外の選択肢はなく)指弾きなしでやらなければならなかった......また長い一日のレコーディングで、その頃には指が血まみれになっていたけど、やり遂げることができた。僕の記憶の大部分は、それを録音するのに2日間を費やしたという苦しいプロセスについてのものだよ。その頃には、もう飽きていた!」

「Dust in the Wind」は全米6位を記録し、その後トリプル・プラチナを突破しました。イハートは、カンサスが『Leftoverture(邦題:永遠の序曲)』の成功を「超えなければ」というさらなるプレッシャーを受けていたことを認めつつ、こう指摘しています。

イハート:
「“Point of Know Return”がチャートを駆け上がり、“Dust in the Wind”が世界中で爆発的に売れたことで、僕らは間違いなく成功した。これ以上望むものはない。とても幸運だったよ。

何年にもわたって、たくさんカヴァーされてきた...それはいつも嬉しいものだよ。ラップ・ヴァージョンの“Dust in the Wind”もあるんだ。それを聴いて“誰かが大変な思いをして作ったんだな”と思った。僕らの音楽をカヴァーする価値があると思ってくれる人たちには、いつも感謝している。お世辞抜きで、とてもクールだよ」