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ジェフ・ベックの訃報を受け、スティーヴィー・ワンダーが追悼コメント発表、2人のコラボについて振り返る

2023/01/15 22:09掲載
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Jeff Beck and Stevie Wonder - Photo by Kevin Mazur, Wireimage
Jeff Beck and Stevie Wonder - Photo by Kevin Mazur, Wireimage
ジェフ・ベック(Jeff Beck)の訃報を受け、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)は追悼コメントを発表。また2人のコラボレーションについて振り返っています。

米ミシガン州デトロイトの新聞デトロイト・フリー・プレス紙の取材に応じたワンダーは、ベックを偲び、コメントを発表しています。

「彼は素晴らしい音楽を作った偉大な魂だった。彼に会うことができ、私の人生に彼がいて、彼の才能のいくつかを私の音楽に生かすことができたことをうれしく思っています」

ベックとワンダーが初めて一緒に仕事をしたのは1972年、後にワンダーの名作アルバムとなる『Talking Book』を制作していた時でした。プロデューサーであるロバート・マーゴレフとマルコム・セシルの紹介で、ワンダーはベックにアルバムの「Lookin' for Another Pure Love」のソロを弾いてもらうことになりました。

ワンダーはベックについて、「彼のことをあまり知らなかったんだ。でも、ニューヨークで彼の演奏を聴いたことがあった。(スタジオで)“Lookin' for Another Pure Love”を作っているときに、彼に“演奏してみないか”と言ったら、彼はそれは素晴らしいことだと考えた。彼は1つのパートをやり、次に別のパートをやり、さらに別のパートをやった。それはもう、とにかく凄かった」「素晴らしかったよ、そのすべてが。ジャズっぽい感じとブルージーな感じと、私がやったコード構成がミックスされたような感じで、最高だった。彼はそれに影響を加えた。本当にクールだった」と同紙に話しています

スタジオでワンダーとベックは、当時ワンダーが書いていた別の曲も演奏しました。「Superstition(邦題:迷信)」です。

ワンダーは、今回のインタビューの中で、スタジオでベックに初めて聞かせたとき、この曲のラフなトラックはすでに完成していたことを明らかにしています。

ワンダーはもともと、ベック・ボガート&アピスのためにベックにこの曲を提供することに同意していましたが、モータウンはこの曲のヒットの可能性を認識し、ベック・ボガート&アピスが、この曲を収めたデビューアルバムをリリースする前に、ワンダーのヴァージョンをリリースしました。

ワンダーは「私はモータウンに“聞いてくれ、ジェフ・ベックのためにこれを作ったんだ。彼はこの曲が好きなんだ”と伝えた。私は“You Are the Sunshine of My Life ”を(アルバム『Talking Book』からの)最初のシングルにすべきだと思っていた。彼らからは“ダメだ、ダメだ、ダメだ。最初のシングルはSuperstitionにすべきだ”と言われた。だから、ジェフのところに戻って、その話をしたんだ」と話しています。

ワンダーは「Superstition」のリリース状況が2人に深い溝を作ったという考えを否定し(「僕らはいつもクールだった」)、2009年のロックの殿堂入り式典での共演を懐かしく振り返り、この曲を熱く演奏したと語っています。

ワンダーはベックの訃報を聞いた日、自宅でベックの特徴的なソロをフィーチャーした「Lookin' for Another Pure Love」をかけたという。

ワンダーは「今日、この曲を聴いたとき、その時のことが思い出されて感情的になってしまった。音楽には何かがある。ファンであるあなたにとって、曲はあなたをある時間空間に連れ戻すものでしょう。同じことが、作家や歌手である私たちにも起こるのです」と話しています。