パンテラ再結成ツアー　候補に挙がったギタリストはザック・ワイルドだけではなかった　長年のプロデューサー語る

パンテラ（Pantera）の再結成ツアーには、ギタリストのザック・ワイルド（Zakk Wylde）と、アンスラックス（Anthrax）のドラマーであるチャーリー・ベナンテ（Charlie Benante）が参加していますが、候補に挙がったギタリストはワイルドだけではなかったという。パンテラの長年のプロデューサーで、故ヴィニー・ポール（Vinnie Paul）の遺産を管理する人物のひとりとされるスターリング・ウィンフィールドがReckless Rock Radio 89.3 KNON FMの新しいインタビューの中で明らかにしています。またワイルドが選ばれた理由も説明しています。

「ニューオーリンズに行ったとき、彼らがどれだけ真剣に取り組んでいるか、どれだけ心底から取り組んでいるかを目の当たりにして、これはすごいことになると思ったんだ。フィル（アンセルモ）とレックス（ブラウン）は今は別人、20数年前とは違う人間になっている。人は成熟し、成長し、自分の過ちを認め、人生を前進させ、より良い道を切り開くことを望むものだ。それこそが、俺がここで見たものなんだ」

ブラウン、アンセルモ、ワイルド、ベナンテがパンテラとしてツアーを行っているにもかかわらず、ウィンフィールドは「これは再結成ではない」と言い切っています。「少なくとも現時点では、PANTERA 2.0ではない。君がどう思おうと、それはそれで構わない。しかし、これを再結成と呼んだのはメディアであって、彼らではない。彼らは決して、そのようには言っていない。彼らはこれを、兄弟（ヴィニー・ポールとダイムバッグ・ダレル）へのトリビュートとして、ファンのために、音楽のために、この音楽のレガシーのために、他の世代の人たちに届けるために、彼らはこれをやっている」

またウィンフィールドは、ワイルドとベナンテはパンテラの楽曲を、それにふさわしい敬意と細部へのこだわりを持って演奏するのに最適な人物であるとも述べています。

「ダイムとヴィニーの任務をこなすのにザックとチャーリー以上の人物は思い当たらない。あの2人ともずいぶん前からの知り合いだ。チャーリーは人間として模範的で、モンスター・ドラマーで、兄弟を信じられないくらい愛していた。ザックも同じだ。

彼らはダイムとヴィニーになろうとしているんじゃない。それは失礼にあたる。彼らは自分たちのままで、楽しんでいる。だから、みんなも遊びに行くべきだと思う。ビデオを見るだけでもいい。YouTubeで見たことがあるはずだ。この観客の多さは異常で、見に来ないと損をすると思うよ」

パンテラの新しいラインナップのドラマーとギタリストに他のミュージシャンが検討されたかという質問に対して、ウィンフィールドはこう答えています。

「ヴィニーの後を継ぐのは彼であることに疑いの余地はなかった。考えるまでもないことだ。他にも何人かのギタリストの名前が挙がっていた。正直なところ、彼らではうまくいかなかったと思う。結局、いつもザックに戻ってくるんだ。何度か繰り返しているうちに、考えるまでもないことだとザックに決定した。彼はダイムのことを、地球上のどのギタリストよりもよく知っているからね。ダイムバッグ・ダレルの音やリフ、すべてを正確に再現するつもりかって？　いや、ザック・ワイルドだよ、バカか。ザックなんだよ」

ウィンフィールドは、他にどんなギタリストが候補に挙がっていたかは明かしませんでしたが、アルター・ブリッジのマーク・トレモンティは最近、ブラウンがバンドのオーディションを受けてみてはどうかと提案したことがあると明かしています。

ウィンフィールドは同じインタビューの中で、パンテラが新曲をレコーディングする可能性について、こう語っています。

「前代未聞でもなければ、冒涜的でもない。完全に可能だと言いたいところだけど、今の時点では、誰もそんな先のことまで考えていない。彼らは今後2年間、ワールドツアーに出るんだから、そのために忙しくなるんだ。今、それが起こり得るか？　そうだね」

ブラウン、アンセルモ、ワイルド、ベナンテが一緒に新曲を作るのは「クール」かと聞かれたウィンフィールドは、こう答えています。

「それは場合によるね。繰り返しになるけど、このツアー全体が正しく行われる必要がある。それに、もしそうなったとしても、パンテラと名乗ることには抵抗があるだろう。それは上品なことではないと思う。そういうことにしておくよ。今はとりあえずそれだけにしておく。でも、このラインナップなら、とてもヤバイ音楽を作れるかもしれない。重要なのは音楽だけだ」