ロニー・ジェイムス・ディオ(Ronnie James Dio)は、
ビートルズ(The Beatles)『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』が大好きでした。英Classic Rock誌の2006年9月号で、このアルバムの魅力を熱く語っていました。同誌のサイトは、新たにこの記事をネットでも公開しています。
「これまでに作られた中で最も素晴らしいアルバムは『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』だと思っている。あのアルバムに捨て曲はないと思う。
ビートルズが偉大なミュージシャンであり、素晴らしいソングライターであっただけでなく、特にスタジオで本当に実験的なことをしていた時期だった。それがこのアルバムを通して聴くことができる。テープループ、ジョージ・マーティンの巧みな処理、ポール・マッカートニーとジョン・レノンのアイデア、ジョージ・ハリスンのインド音楽の影響、アルバムのルックスなど、すべてが異なるものだった。まさにすべてがそうだった。
このアルバムには、俺がこの世で一番好きな曲も入っている。“A Day In The Life”は、本当に素晴らしい曲だと思う。この曲のエンディングは、今までで一番素晴らしいものだと思っている、たった1つのピアノの音が11分も続いているんだ。
初めて“A Day in the Life”を聴いたのは、車に乗っているときで、俺は道端に車を止めなければならなかった。その時、俺はただただ唖然とした。
まだ聴いたことのない人がいたら、きっと今でも聴いて“すごい!なんだこれ!”と思うようなアルバムだと思う。メロディーの内容もそうだし。まさにビートルズはいつもそうだった。このアルバムに欠点は見当たらない。
このアルバムのすべてが好きだ。なぜか不思議なことに俺は“Being For The Benefit of Mr.Kite”が好き。とても好きなんだ。“When I'm Sixty-Four”も好きだよ。今、そのことを考えているからかな。このアルバムに収録されている曲はすべて素晴らしい。
遠大なものだった。想像を超えたものだった。誰も彼らが何をしたのか理解できなかったと思う。つまり、それがビートルズだった。最初はそうじゃなかった。『Revolver』はそうなり始めていたから、そんなにすぐにジャンプしたわけではなかった。『Sgt. Pepper's』が驚異的なアルバムになったのは、そのような実験があったからなんだ。
俺にとっては、常に重要なアルバム。リマスター盤を聴いたことがなくても、俺には関係ない。いい曲はいい曲なんだ。リマスターはオーディオマニアにとっては素晴らしいことだが、俺にとっては、本当にどうでも良いこと。ただ曲を聴いて、その中にある他のすべてのものを思い浮かべることができる。もちろん、悪い録音は悪い録音。でも、俺にとっては、このアルバムはその内容が好きなのであって、録音がどうのこうのということはあまりない。改めて考えてみると、このアルバムの実験性は本当に驚異的だと思うんだ」