Darryl Jones: In the Blood
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)を長年にわたってサポートするベーシストの
ダリル・ジョーンズ(Darryl Jones)の新しいドキュメンタリー映画『Darryl Jones: In the Blood』。10月7日より、米国の一部の映画館で上映されています。トレーラー映像あり。
ダリル・ジョーンズは米イリノイ州シカゴ生まれ。1980年代初頭からプロ活動を開始し、これまでにマイルス・デイヴィス、ハービー・ハンコック、ステップス・アヘッド、スティング、ピーター・ガブリエル、ブルース・スプリングスティーン、マドンナなどとともに演奏し、1993年からは離脱したビル・ワイマンに代わり、ローリング・ストーンズでベースを担当しています。
ドキュメンタリーでジョーンズは、自身のキャリアを振り返っています。またミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロニー・ウッド、チャーリー・ワッツなどのインタビューも収録されています。
ドキュメンタリーの中で、ミック・ジャガーは「プレイヤーとしても、ミュージシャンとしても、彼をとても尊敬している」と語っています。キース・リチャーズも同様に「ダリルは最も頼りになる奴だ。世界最高のベーシストの一人だよ」と言い、リチャーズの方が年上なのに、彼はジョーンズを兄のように思っているという。
ジョーンズは米Spinのインタビューの中で、「僕もキースのことを同じように思っているから面白いね。彼は僕の兄のような気がする。彼は素敵な男だよ。ギターを弾く姿だけじゃない。ソングライティングの仕方にも表れているんだ」と語っています。
チャーリー・ワッツが亡くなった後、ジョーンズはJazz Timesに賛辞を寄せ、ニューヨークのブルーノートで彼を讃えるコンサートを開きました。「ジャズは僕たちが共有したものだった」と話すジョーンズ。また「僕たちは靴が大好きだった」とも話し、スタイリッシュなワッツは、ロンドンと東京のショッピング・ツアーにジョーンズを連れて行き、2人で完璧な仕立屋や靴職人を訪ねたという。
また、わずか21歳でマイルス・デイヴィスのバンドに参加したジョーンズ。マイルス・デイヴィスとの仕事は、彼をミュージシャンとして変貌させたものでした。
「マイルスから学んだのは、アクティブ・リスニング(※“受容の精神”と“共感的理解”をもって相手の話に耳を傾け、その言葉の中にある事実や感情を積極的につかもうとする聴き方)の一種で、自分が練習したものを演奏するのではなく、周りのミュージシャンの演奏に耳を傾けるということだった。何を演奏しているかを、聴いているものから知ることができるようにするんだ。友人の話に耳を傾け、その人のために耳を傾けることは、愛の行為なんだよ。それが、これまでさまざまなサークルに移り、さまざまなことをやってこられた理由のひとつだと思う。聴くことに恋しているんだ」