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デヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』のプロデューサーは50年経った今、同作をどう思っているのか? ミック・ロンソンについても語る

2022/09/20 18:30掲載
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David Bowie / The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
David Bowie / The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の『Hunky Dory』と『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』を共同プロデュースしたケン・スコット。この2作に参加したミック・ロンソン(Mick Ronson)についてGuitar Worldのインタビューの中で語っています。「彼は過小評価されている」。また、50年経った今、『ジギー・スターダスト』をどのように受け止められているかについても話しています。

Q:ミックは自分でパートを考えていたのでしょうか?

「デヴィッドが提案することもあったけれど、ロノ(ミック・ロンソンの愛称)はスタジオに行って、必要だと思うものをそのまま録音することが多くて、それがほとんどいつもうまくいっていた。ソロの場合、最初のテイクから最後まで完璧にこなす。ハーモニックのアイデアやフィルなど、スタジオから離れてもアイデアを練っていたかもしれないけど、スタジオにいるときは、すぐに演奏に取りかかっていたよ。

彼はまだ、大きくて古いマーシャルと剥き出しのレスポールを使っていて、クライベイビーを使っていた。それが基本的に彼のライヴ機材でもあったんだ。クライベイビーに接続して、下からゆっくりと開いていき、スイートスポットを見つけてそのままにしておく。その曲はそれで終わり。僕が見た彼のレコーディングでは基本的にどの曲もそうしていたよ」

Q:あなたはこれまで多くの素晴らしいギタリストと仕事をしてきました。ロンソンについてはどのように評価していますか?

「彼は過小評価されていると思う。彼はデヴィッドの成功にとって非常に重要だった。デヴィッドはとても才能があったから、何があっても成功したと思うけど、ロノはデヴィッドのレコーディング・サウンドにとってとても重要な存在だったし、もちろん、彼はデヴィッドと一緒にステージに立つととても映えるんだ。ロノは当初、華やかなルックスやメイクに少し抵抗があったようだけど、やがて、それで女性にモテなくなるわけではないことがわかると、その気になったそうだよ(笑)」

Q:50年経った今、『ジギー・スターダスト』をどのように受け止められていますか?

「その時の気分次第だね(笑)。好きな日もあれば、嫌いな日もあるし、すべての音を変えたくなる時もある。今になってみると、変えたいところはたくさんあるけれど、デヴィッドの演奏は絶対に変えたくない。ロノのパートもね。今思えば、ドラムの音が一番変えたいかな。

でも、もしあの時、違うことをやっていたら、うまくいかなかったかもしれないし、半世紀経った今、ここでこの作品について話すこともなかったかもしれない。これは、あの時代のスナップショットなんだ。僕が聴いていた当時は、半年に1枚のペースでアルバムを出していて、次のアルバムが出るまでに、まだ前のアルバムのことを話している人がいたら、仕事をしたことになるんだよ。

アルバムの寿命は1年以下だった。50年後にまだその曲を聴いているなんて、誰も思っていなかった。ロックンロールは録音当時、それほど古くはなかった。他の初期のボウイのアルバムの中には、ジギーの曲よりも良いと思う曲もあるけど、このアルバムは、曲のまとまりとして最もよくまとまっているアルバムであることは間違いない」