10cc『Look Hear?』　ヒプノシスのA.パウエルは苦労して撮影した写真が完成版では切手サイズにまで縮小されてしまったことに今でも愕然

10ccの1980年アルバム『Look Hear?』。ジャケット・カヴァーは、英国のクリエイター集団ヒプノシス（Hipgnosis）が手がけたものですが、メンバーのオーブリー・パウエル（Aubrey Powell）は、自分が苦労して撮影した写真が、完成したジャケット・カヴァーではストーム・トーガソン（Storm Thorgerson）によって切手サイズにまで縮小されてしまったことに、今でも愕然としているという。新しいドキュメンタリー『Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis』の中で話しています。

『Look Hear?』のジャケット・カヴァーは、浅瀬で精神分析医が使うソファに座っている羊を撮影した写真で知られていますが、これは米国でのリリースに向けて変更が施された後のもので、オリジナル英国版ジャケットは“Are you normal”の文字が目立つ内容で、羊の写真は小さく挿入されていただけでした（写真下）。

『Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis』によると、ヒプノシスはこの羊の写真を撮影するために3000ポンドを費やして撮影クルーをハワイに連れて行きました。

以前の報道によると、このアルバムのジャケットに羊を入れるというパウエルの計画は、ハワイには羊が一頭しかいないことを知り、ほとんど挫折しかけたという。さらに羊は波打ち際をとても怖がることがわかり、結局、バリウムを飲ませることにしたと伝えています。

パウエルは、自分があれだけ苦労したのに、完成したヴァージョンでは、トーガソンによってイメージが切手サイズにまで縮小されてしまったことに、今でも愕然としていると、『Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis』で述べています。

■10cc / Look Hear? [UK original cover]