Mick Jagger and Chuck Leavell (Image credit: R. Diamond/Getty Images)
ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)のライヴ活動を支え、長年にわたってミュージカル・ディレクターを務める、キーボード・レジェンドの
チャック・リーヴェル(Chuck Leavell)。ストーンズとの出会いからこれまでを語る。ストーンズとは何十年も一緒に演奏しているが、今でも毎晩、「これは本当に自分のことなのか」と感じていると英Classic Rockで話しています。
Q:ローリング・ストーンズから最初どのような話があったのですか?
「1981年にストーンズが新しい人を求めていて、(プロモーターの)ビル・グラハムが僕の名前を出したんだ。(ストーンズのオリジナル・ピアニストだった)イアン・スチュワートから電話がかかってきて、36時間後にはオーディションのために飛行機に乗っていたよ。とてもうまくいったんだけどね。3日間滞在し、ポジションを得たと思ったんだけど、そのツアーにはイアン・マクレガンが参加することになった。
その年の後半に彼らがアトランタにやってきた。スチュワートは僕に電話をかけて“僕らは君の裏庭にいる。一緒に来て騒ぐかい?”と言われた。それで僕は何曲か参加したんだ。年末になるとスチュワートから電話で“来年、ヨーロッパ・ツアーをやるんだけど、みんな君が欲しいって言ってるんだ”と言われた。それで、初めて正式なポジションを得たんだ」
Q:あなたはストーンズに入った時は、ミックとキースの内紛があった時期でしたね。
「ピリピリしていたね。彼らの関係においてベストな時期では全くなかった。でも、そんな緊張感の中でも、音楽を作るということは、自分たちがやり遂げなければならないプロセスだとわかっていた。レーベルへの義務感だけでなく、音楽を作ることが目的だった。それを乗り越えていく方法を見つけた彼らを、僕は本当に尊敬しているよ。
それは、なぜ僕たちがローリング・ストーンズの60周年を祝うのか、その理由を雄弁に物語っている。彼らはいつもうまくやる方法を見つけてきたし、今ではバンドはかつてないほど親密になっている。昨年、チャーリー・ワッツを亡くしたことはとても悲劇的なことで、僕たちは個人的にも音楽的にも、まだそのことを強く引きずっている。彼のことは毎日考えているよ」
Q:あなたはローリング・ストーンズのミュージカル・ディレクターでもありますね。
「僕としては、ミックとキースがミュージカル・ディレクターだと思うので、ちょっと笑ってしまう。Steel Wheelsツアーのリハーサル中にメモを取り始め、徐々に手書きのコードチャートができ、それがルーズリーフになった。テンポを決めたり、アレンジの相談役になったりするときに頼りになった。それがステージでの合図にもなっていったんだ。
ロック・バンドのジャズ・ドラマーとして、チャーリーはブレイクダウンの合図を必要とすることがあった。ミックが観客の前で演奏しているとき、彼が後ろを振り返ったら、僕が“このまま続けてくれ”とか“ヴァースだ(Vサイン)”“コーラスだ(指と親指でCの字を描く)”といった合図を出すこともあった。セットリストを作るのも僕の仕事だよ」
Q:あなたは音楽界の大物たちと仕事をしてきました。「これは本当に自分のことなのか」と感じる瞬間は?
「ローリング・ストーンズとの毎晩の共演だね。冗談じゃないよ。みんなに“Start Me Upとか、何度も演奏している曲は飽きないんですか?”と言われるんだけど、答えは“そんなことはない””だよ。冗談だろう? (彼らが)こっちを見ると、こうなるよ、“あのキース・リチャーズなの?あのロニー・ウッドなの?”。毎回ドキドキだよ」」