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新種を含む100種以上のクモの新しい「属」にデヴィッド・ボウイにちなんだ名前が付けられる

2022/08/10 13:59掲載
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David Bowie / The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
David Bowie / The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
ロンドン自然史博物館によると、新種を含む100種以上のクモの新しい「属」にデヴィッド・ボウイ(David Bowie)にちなんだ名前が付けられています。

世代を越えて半永続的に同質な個体の集団を「種」とし、それらを集めた最初の類のみを「属」と呼んでいます。

ピーター・イェガー博士は、主にアジアに生息するクモの「種」を調べたところ、既存のどの「属」にも分類できないことに気づきます。

博士はこれまでにもグレタ・トゥーンベリやマララ・ユスフザイなどにちなんで名付けたことがありましたが、今回は彼のヒーローの一人にちなんでこのグループの新しい「属」の名前を「Bowie」と名付けています。

博士は「あまりにも早くこの世を去ったこの比類なきアーティストを讃えたかったのです」と述べています。

Bowie属は、主に熱帯地方に生息するシボグモ科の一種。シボグモ科は、クモの巣を張らずに、昆虫や爬虫類、カエルなどの獲物を求めて森を徘徊することを好む、徘徊性のクモです。

シボグモ科の中で最も大きな属の一つがCtenus属で、これらのクモは世界中に広く分布していますが、どのような特徴があるのかはあまり知られていません。

ピーター博士は、Ctenus属を調べているうちに、アジアやオーストラリアに生息するクモの中に、世界の他の地域に生息する「種」と区別できるような奇妙な点をいくつも発見します。その特徴から、博士はこの新属を命名するに十分な証拠があると考えています。

49種のBowie属のクモは、Ctenus属から再分類されました。一方、これまで知られていなかった55種の全く新しい種には、デヴィッド・ボウイの楽曲にちなんだ名前をピーター博士が付けています。

Bowie属のクモが生息する最北の地、例えばネパールの「種」には、B. ziggystardust や B. majortom など、ミュージシャンのキャリア初期の楽曲にちなんだ名前が付けられています。

また、中部域生息する「種」にはB. letsdanceやB. magicdanceのようなキャリア後期の楽曲、パプアニューギニアなどの最南端に生息する「種」には、B. blackstar などの最近の楽曲にちなんで命名されています。