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ブライアン・メイ、ポール・ロジャースとの活動/『ビートルズ:Get Back』/アクセル・ローズやエディ・ヴァン・ヘイレンとの思い出等について語る

2022/05/31 17:02掲載
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Brian May
Brian May
クイーン(Queen)ブライアン・メイ(Brian May)は、1998年に創刊された英Classic Rock誌の300号を記念して行われたインタビューの中で、この24年間について振り返っています。ポール・ロジャースとの活動、『ザ・ビートルズ:Get Back』の感想、アクセル・ローズやエディ・ヴァン・ヘイレンとの思い出、宇宙旅行、天体物理学者として近年最も興奮した出来事、サー・ブライアン・メイ、クイーンの影響力など。

Q:(Classic Rock誌が創刊された)1998年当時、あなたはクイーンが終わったと思ったのですか? それとも、21世紀最大のロックバンドのひとつになるための秘密の計画があったのでしょうか?

「終わったと思っていたよ。ロジャー(テイラー)と僕は、もう続けることは不可能だと確信していた。フレディ(マーキュリー)を失った時点で、その精神は失われていたんだ。正直なところ、その気力すらなかったんだ。『Made In Heaven』が最終章になるはずだったので、その後、二人ともソロ活動に取り組んでいた。それから、まったくの偶然でポール・ロジャースと出会い、こう思った。“僕らにとってヒーローだったこの人と一緒に仕事をして、何が起こるか見てみよう”」

Q:今、その時代をどのように振り返っていますか?? 一緒に作ったアルバム『The Cosmos Rocks』は再評価に値しますか?

「あのアルバムは誇りに思っているよ。本当にいいものが入っていると思うし、過小評価されていると思っている。僕たちは楽しみ、ポールも楽しんだ。素晴らしかった。彼がクイーンの曲で力を発揮しただけでなく、僕たちも“All Right Now”を演奏したり、彼の曲を演奏したりした。新しいことで世界を回るのが大好きだった。しばらくは良かったんだけど、やがてそれが限界に達して、ポールが自分のキャリアに戻る必要があることは明らかだった。僕たちはとても良い別れをしたし、今でも連絡を取り合っているよ」

Q:ビートルズのドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』はご覧になりましたか?

「観たよ。僕たちにとってはよく経験するような状況だったので、とても身近に感じられた。最初のエピソードは、うまくいっていないし、創造力もあまり発揮されていないので、かなり難しいものだと感じたけど、2回目のエピソードはとてもいい感じだね。ジョージ・ハリスンが本領を発揮するのを見れるのは素晴らしいことだよ。例えば、“Jealous Guy”のメロディーを持ちながら、全く違う歌詞の曲をジョン・レノンが歌うというような、純粋なマジックのような瞬間もある。これには驚かされたよ」

Q:クイーンで『Get Back』的なドキュメンタリーが作られる可能性はあるのでしょうか?

「ないと思う。小さな断片はあるけど、僕たちはとても気にするタイプだった。ミニ・ドキュメンタリー『One Vision』に収録されたものもあるけど、僕たちはカメラの存在に慣れていなかったので、あまり自然な感じの映像ではなかったんだ。それがいいのか悪いのかわからないけど。少し神秘性を保ったほうがいいのかもしれないね」

Q:アクセル・ローズから、ガンズ・アンド・ローゼズの『Chinese Democracy』となったアルバムでギターを弾いてほしいと頼まれましたよね。どんな経験でしたか?

「奇妙な経験だったよ。全体の中盤くらいだったと思う。その時点でアクセルはかなり世捨て人みたいになっていた。彼は家で仕事をしていて、僕は丘の下にあるスタジオで当時のエンジニアと一緒に仕事をしていたんだけど、彼が下りてくることはめったになかった。たまに電話をかけてきて、熱っぽく語っては、またいなくなる。僕が演奏したものはアルバムには収録されなかったと思うよ」

Q:それ以来、アクセルとは交流がありますか?

「あまりないね。たまにメッセージはあるけど、本当にほとんどない。もっと連絡を取り合うべきだよね。僕は、ちょっとシャイで引っ込み思案なところがあるから。エディ・ヴァン・ヘイレンともっと連絡を取っておけばよかったと、ひどく後悔しているんだ」

Q:彼との一番の思い出は何ですか。

「楽しい思い出はたくさんあるけど、あるとき彼が僕たちの演奏を見に来たのを覚えているよ。その後、ホテルに戻ると、彼はお気に入りのサザン・コンフォートのボトルを持参していた。彼はそれをがぶ飲みしていたので、僕もそれをがぶ飲みし始め、完全に記憶が飛んだ。次に覚えているのは、バスルームで床に倒れ、洗面台に頭をぶつけていたこと。浴室に入ったことさえ覚えていない。人生で数回しかない、制御不能に陥った出来事だった」

Q:科学者として、リチャード・ブランソンやジェフ・ベゾスが宇宙へ飛び立つのを見て「あれは自分がやるべきだ」と思ったのでしょうか?

「いや、それは僕が目指しているものとは違うからね。でも、国際宇宙ステーションに何週間か滞在してみたら、また違った感想を持つかもしれない。 月への旅も楽しそうだね。でも、上空でしばらく無重力状態になって、また降りてくるというのは、僕には魅力的ではないかな」

Q:天体物理学者として、この24年間で最も興奮した出来事は何でしょうか?

「それはやはり、ニュー・ホライズンズが冥王星に接近したことだろうね。まだ知られていないカイパーベルトの天体に接近するというのは、並大抵のことではない。僕は立体視処理に携わり、接近通過の際には管制室にいたんだけど、最初の写真を見ると皆が歓声を上げ叫んでいた。信じられないほど、忘れられない経験だったよ」

Q:サー・ミック・ジャガー、サー・ルトン・ジョン、サー・ロッド・スチュワートがいます。取り残された気分ですか?

「いいえ、僕はCBEを授与され、それにとても満足している。僕がサー(Sir/騎士号)になることに意味があるとは思わない。今持っていないものを得られるとは思えないからね。もし、ロード(Lord/貴族)になれと言われたら、それはそれで違うんだけど。なぜなら、貴族院に入ることができ、国の運営に影響を与えることができるかもしれないからね。特に野生動物に関しては、僕の大きな情熱だから」

Q:トニー・アイオミと新曲を共同制作しているという噂がありますね。それは本当ですか?

「いろいろ検討はしているんだけど、おそらく僕らが望んでいるほどには進んでいないんだ。時間がかかるんだよ。新型コロナウイルスは助けにならないし...」

Q:過去24年間におけるクイーンの影響力をどのように見ていますか?

「ロックという川の流れがある。ビートルズやレッド・ツェッペリンのような上流のバンドもいれば、フー・ファイターズやザ・ダークネスのような下流のバンドもいる。僕はその一部であることを光栄に思っているんだ。それを見て“ああ、僕は自分の役割を果たしたんだ”と思う。そして、今もそうであることを願うよ」