Prince Gently Weeping from Rock Hall 2004: NEW DIRECTOR'S CUT!
プリンス(Prince)が2004年の<ロックの殿堂>式典で披露した、
ビートルズ(The Beatles)「While My Guitar Gently Weeps」のギターソロ。20年近く経った今でも称賛されるこの素晴らしいパフォーマンスについて、当時のショー・プロデューサーのジョエル・ギャレンによると、前夜、バンドが集まってこの曲をリハーサルした際、プリンスはソロをまったく演奏しなかったので、どんなソロになるのか誰も知らなかったという。そのため、関係者にとっても式典当日のパフォーマンスは驚きのものだったそうです。
2004年の<ロックの殿堂>式典では、
ジョージ・ハリスン(George Harrison)に敬意を表し、プリンス、トム・ペティ、ジェフ・リン、スティーヴ・ウィンウッド、ジョージの息子ダニー・ハリスンらが「While My Guitar Gently Weeps」のパフォーマンスを披露しています。
この曲には2つのソロがあります。最初のはジェフ・リンのバンドのギタリスト、マーク・マンによるもので、エリック・クラプトンのオリジナルを模倣した、地味ながら完璧な演奏です。
ジョエル・ギャレンは、前夜に行われたリハーサルについて、2016年にプリンスの死を受け、ニューヨーク・タイムズ紙にこう語っています。
「プリンスがやるはずの真ん中のソロになると、ジェフ・リンのギタリスト(マーク・マン)がソロを弾き始めたんだ。一音一音、クラプトンのようにね。プリンスはただ立ち止まって、彼に任せて、リズムを刻み、一緒に演奏した。それから、最後の大きなソロになると、プリンスがソロに入るために前に出るんだけど、その男(マーク・マン)がそのソロも弾き始めるんだ! プリンスは何も言わず、ただひたすらギターを弾き続け、一部でリードを弾くけど、ほとんど何も印象に残らないものだった。
それでプリンスにそのことを話したんだよ。彼を引き止め話をしたんだけど、彼はこう言ったんだ。“いいか、こいつにやらせておけ、俺は最後に入るだけでいい。最後のソロのために、真ん中のソロは忘れてくれ”ってね。それから彼は“気にするな”と言って、彼は去っていったよ」
関係者が誰もどんなソロになるのか知らない中、曲が3分半を迎えたところで、プリンスが前に出て、後世に残る名演奏を披露しています。
2021年、プロデューサーのギャレンは、これまで以上にプリンスが多く登場する再編集版の映像をYouTubeにて公開しました。ギャレンは「プリンスのこの素晴らしいパフォーマンスから17年後、私はようやくこのビデオを少し再編集する機会を得た。いくつかのショットが気になっていたんだ。ディゾルブをすべて取り除き、すべてカットにして、ソロの時のプリンスのクローズアップをたくさん追加した。今の方がいいと思うよ」と当時述べています。
プリンスのソロは3分30秒頃から。
または