Gail Ann Dorsey (Image credit: Paul Bergen/Redferns)
デヴィッド・ボウイ(David Bowie)との長期にわたる共演で注目を集め、その後も世界中で数多くのコラボレーションを行っている、ベーシストの
ゲイル・アン・ドロシー(Gail Ann Dorsey)。米Bass Player特別功労賞の受賞を記念したインタビューの中で、デヴィッド・ボウイや
レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)との共演を振り返っています。
Q:受賞おめでとうございます。
「びっくりしました!このような名誉ある賞を受賞した他の方々とご一緒できることを大変嬉しく思います。自分はそれほど価値のある人間ではないとは思うのですが、人生をベースに捧げてきたことは間違いありません。ベースという楽器の良いところをすべて表現しようとしてきました。私は偶然この楽器に出会ったのですが、ベースは私の人生の中で歌うこと以外の最も偉大なことになりました」
Q:デヴィッド・ボウイは、あなたと最も関わり合いのあるミュージシャンですか?
「そうだと思います。彼は常に自分の音楽のための素材を探求することに前向きだったので、一緒に仕事をするのはとても楽しかったです。私は曲のためにそこにいましたが、ベーシストとして自由に音楽に参加することができたのは素晴らしいことでした。それは、私の人生における最大の祝福でした。一人の人間が他人の人生の軌道を変えることができるというのが真実であるならば、彼は確かに私の人生を変えてくれました。 こんなにもパワフルに」
Q:ボウイは、あなたのベース・パートについて提案しましたか?
「時々、提案をすることもありました。具体的に彼が聴きたいものがある場合は、それを求めたり、説明したりしていました。ヴォーカルのメロディがあって、ドラムマシンがあって、コードがあって......というような、ごく初歩的なものです。
例えば、1997年のアルバム『Long Live Tibet』に収録されている“Planet Of Dreams”という曲では、冒頭に彼の頭の中にあったベースパートが出てきます。私には思いつかなかったのですが、彼は“最初の方で、これをちょっとやってみて”と言ってくれて、その後は自由に曲へのアプローチを考えることができました」
Q:一方で、レニー・クラヴィッツとも共演されていますよね。クラヴィッツ自身も優れたベーシストです。
「ベース・パートに関して言えば、レニーは、まったく逆の考え方をします。彼は、自分がやった通りの音を出してほしいと望んでいます。これは時に大変なことですが、私にとってはとても楽しいことです。私はベースの勉強をするために学校に行ったことがないので、いろいろな人のために演奏することは、ベーシストとして最高の勉強になっていると思います。
私は譜面が読めないし、理論も知らないし、ハーモニーもわからない、それをどうやって応用すればいいのかわからない。だからすべては自分の耳とパターンで、自分の視覚的な方法で学ぶのです。どのアーティストのもとでも、ベースへのアプローチの仕方の別の面を教えてもらっていて、それはいつも刺激的です。まるで学校に通っているような気分です」
Q:時間の経過とともに、ベースプレイヤーとしてどのように進化していますか?
「慣れてきただけです。プレーヤーとしてもっと良くなりたいと常に思っていますが、自分のすることに自信が持てるようになりました。私の手は何をすべきかを知っているようで、無理に動かすのではなく、それを許すようになりました。そこには、音楽に限らず、人生のあらゆることに通じる教訓があると思います」