Cop Who Broke Up The Beatles' Rooftop Concert
ビートルズ(The Beatles)が1969年1月30日にアップル・コアの屋上で行ったゲリラライヴ「ルーフトップ・コンサート」。ビートルズのロード・マネージャーとして活躍したマル・エヴァンズの日記には、このライヴでの混乱が記されていました。コンサート後、マルを逮捕しようとした警察官を
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)が止めたことも書かれていました。
世界有数のビートルズ研究者であるケネス・ウォマックは、英ガーディアン紙に次のように語っています。「あの日、マルは実際に逮捕されたが、ライヴ終了後にポールが渉外モードに入って警察官の考えを変えさせたことで、なんとか事なきを得たということわかったんだ」
ウォマックは、エヴァンズの大規模な伝記のために、エヴァンスの未発表の日記、原稿、写真などに前例のないアクセス権を得ています。
エヴァンズはかつて、『Living the Beatles’s Legend』と題した回顧録を執筆し、1970年代半ばに出版する予定でしたが、それを行う前に亡くなってしまいました。
エヴァンズの子供であるゲイリーとジュリーは、父親の資料をウォマックに公開し、「父の死後、ビートルズの世界では常に彼の日記や原稿のことが話題になっていました。今回、初めてそれらが公開されます」と語っています。
ウォマックによると、「ルーフトップ・コンサート」のために、エヴァンスがアシスタントと一緒にアップル・コアの屋上に仮設ステージを作りました。
ウォマックは「警察は音を小さくするか、コンサートを止めるかを要求し、マルにビートルズを逮捕するつもりだと言った。その時、マルはジョージ・ハリスンのアンプの電源を切ってしまう。もちろん、ジョージはそれがとても気に入らず、マルに怒鳴っている。ドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』にもあるように、ビートルズは“Get Back”を短い間、ぎこちなく演奏して、コンサートは実質的に終了したんだ」と話しています。
またウォマックにとよると、当日、警察がビートルズを逮捕すると脅したことについて、エヴァンスは日記にこう書いているという。
「このままでは大変なことになってしまうと思い、平和を保つために、ジョージのアンプから電源を切った。ちょうど彼らが新しい曲を始めようとしたときだった。その後、ジョージの機嫌を理解し、僕はアンプの電源を入れ直した。彼らは最後の曲を演奏して終わったんだ」
さらに日記には「屋上に上がる途中で逮捕されて、警察官の一人が僕のことを記録していた。ポールは渉外担当者として警察に謝罪して、僕を救ってくれたんだ」とも書かれているという。
ウォマックは、ビートルズのファンは、エヴァンスの日記やその他の資料に驚かされるだろうと述べています。ビートルズ関連の多くの著書を残しているウォマックでも、知らなかったことはたくさんあったという。日記を読んだとき、彼は「感動に打ちのめされた」と話しています。。
ウォマックによるエヴァンスの伝記は2023年に出版され、2024年には家族のアーカイブからのフル・イラスト入りヴァージョンが出版される予定です。