レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のツアー・マネージャーを長年務めたリチャード・コール(Richard Cole)が死去。長い闘病生活の末、12月2日にロンドンのチェルシー・アンド・ウェストミンスター病院で亡くなっています。75歳でした。
ロバート・プラント(Robert Plant)は、ツイッターで「さらばリカルド...悲しいかな、これ以上 ほら話はできない...最後まで勇敢だった。」と追悼しています。
リチャード・コールは10代の頃からライヴ・ミュージック・ビジネスに身を投じ、60年代半ばにはザ・フーやヴァニラ・ファッジなどで働いていました。1968年にレッド・ツェッペリンのツアーマネージャーになったのは、ニュー・ボードビル・バンドのマネージャーをしていた時に知り合ったピーター・グラントに連絡を取ったのがきっかけでした。
コールは、イギリスのバンドがアメリカをツアーする際のライヴ・ミュージック業界を改革しました。彼は、イギリスのバンドがアメリカをツアーする際、機材をレンタルしてアメリカ人スタッフを雇うという当時の常識を覆し、ツアーバンドが自分たちの機材とスタッフを海外に連れて行くのを常態化させました。
コールは薬物乱用の問題を抱え、それはレッド・ツェッペリンとの仕事の間にエスカレートしていき、最終的には1980年のヨーロッパ・ツアーを前にツアー・マネージャーを解任されました。コールは1992年に自著を出版。その内容は、レッド・ツェッペリン・メンバーの怒りを買い、元ツアー・マネージャーが自分たちの堕落した活動を誇張していると非難されました。
ジミー・ペイジ(Jimmy Page)は1993年、Guitar World誌に「元ロード・マネージャーのリチャード・コールが書いた本を読んで、すっかり気分が悪くなった。頭にきていて、すべてを読む気にもなれない。読んだ2つの部分はあまりにも馬鹿げた嘘で、もし残りを読めばコールと出版社を訴えることができるだろうと思う。でも、読むのがあまりにもつらいので、読む価値はない」と述べていました。
このような反感があったにもかかわらず、レッド・ツェッペリンの現存するメンバーは、コールを2007年の再結成公演や2012年の映画『レッド・ツェッペリン「祭典の日(奇跡のライヴ)』のプレミア上映など、注目を集めるイベントに招待していました。