HOME > ニュース >

ビートルズはピーター・ジャクソンよりも前に映画『ロード・オブ・ザ・リング』を作ろうとしていた

2021/11/28 01:09掲載(Last Update:2021/11/28 02:24)
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
The Beatles
The Beatles
ビートルズ(The Beatles)の新たなドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back(原題:The Beatles: Get Back)』を監督したピーター・ジャクソンによると、ビートルズはジャクソンよりも前にJ・R・R・トールキンの小説『指輪物語』を原作とした映画『ロード・オブ・ザ・リング』を作ろうとしていました。最終的にトールキンから許可が下りずに、このプロジェクトは頓挫してしまいますが、ビートルズが選んだ監督はスタンリー・キューブリックでした。

ジャクソンは今回のドキュメンタリーを制作したことにより、ポール・マッカートニーに、ビートルズ・ヴァージョンの『ロード・オブ・ザ・リング』について尋ねる機会を得ました。ジャクソンは英BBCのインタビューの中でこう語っています

「少しずつ情報を集めていったんだ。ポールにも聞いてみたよ。リンゴはあまり覚えていなかったけどね。

僕が理解しているのは、アップルの映画プロデューサーであり、(リンゴ・スターやピーター・セラーズらが出演した映画)『マジック・クリスチャン』を製作したデニス・オディールが、『ロード・オブ・ザ・リング』をやるというアイデアを持っていたということ。

彼ら(ビートルズ)がリシケシュに行き、インドに滞在したとき、1968年の初めにマハリシ(マヘーシュ・ヨーギー)と3ヶ月ほど過ごしたんだけど、彼(デニス)はビートルズに本を送ったんだ。

ビートルズのメンバーに1冊ずつ送ったのではないかと思う。リンゴは受け取っていないと思うけど、ジョン、ポール、ジョージの3人は、インドで読むために『指輪物語』を1冊ずつ受け取った。そして、彼らはそれに興奮したんだ」

しかし、著者の介入により、映画化は実現しなかったとジャクソンは説明します。

「最終的には、トールキンから権利を得ることができなかった。トールキンは、自分の物語をポップ・グループが演じることを好まなかった。そのため、彼によってNGが出されてしまったんだ。彼らはやろうとした、それは間違いない。1968年の初めには、一時、彼らは真剣にそれをやろうと考えていました」

もしこの映画が許可されていたら、ポールがフロドを、リンゴがサムを、ジョンがゴラムを、ジョージがガンダルフを演じることになっていただろうと言われています。ビートルズが選んだ監督は『2001年宇宙の旅』を撮ったばかりのスタンリー・キューブリックでした。

ジャクソンはこれらの指摘に反論していません。「そうらしい」と言いながら、「ポールは僕がいつ彼と話したのか正確には覚えていないが、僕はそう信じている」と付け加えています。

「ポールは“僕らがやらなくてよかったよ、だって君は君の映画を撮れたし、僕は君の映画が好きだからね”と言っていた。僕は彼に“そうだね、でも、やらなかったのは残念だよ、ミュージカルになっていたかもしれないからね”と言ったよ。

ビートルズが『ロード・オブ・ザ・リング』のサウンドトラック・アルバムを出したらどうなっていただろう? ビートルズの曲が14曲も15曲も入っていて、とても素晴らしいものになっていただろうね。

だから、僕はそれについて2つの考えを持っている。そのアルバムを聴きたかった、だけど、映画のチャンスを得たことは良かったとも思っているんだ。でも、それらの曲は魅力的だっただろうね」