Tina Turner (left) and tribute act Coco Fletcher (right)
英デイリー・メールによると、
ティナ・ターナー(Tina Turner/81歳)は、ドイツで行われているトリビュート・ショーに出演している30代のトリビュート・アクトのことを「あまりにも自分に似ている」として法廷で争っています。
問題のトリビュート・アクトは、『Simply The Best』という非公式のトリビュートショーに出演しているドロシア・"ココ"・フレッチャーという30代の女性。
ティナの弁護士は、プロモーション用のポスターに写っているドロシアがあまりにもそっくりなので、ファンが本物のティナがショーに参加していると勘違いするかもしれないと主張しています。
この訴訟は、ドロシアをはじめ、エルヴィス・プレスリー、ビートルズ、フランク・シナトラなどのトリビュート・アクトの代理人を務めるドイツの会社、Cofo Entertainment社に対するものです。
ティナ側は、昨年『Simply The Best』のポスターが公開された際に、同社を初めて提訴しました。ケルンの裁判所はこのポスターが観客に誤解を与える可能性があるという判決を下し、最初の勝利を収めました。しかし、その後にポスターのデザインが変更されたため、ケルン控訴裁判所ではティナ側が敗訴しました。控訴裁判所は、公衆を混乱させる危険性はドロシアの芸術的表現の権利を上回るものではないと判断しています。
この訴訟は現在、連邦司法裁判所に達しており、先週、この問題に関する最初の審理が行われました。
ティナの代理人であるカースティン・シュミット弁護士は、ポスターは「芸術」ではなく、単なる広告であると裁判官を説得しようとしました。また「(ティナは)自分の名前やイメージがいつ商業目的で使用されるかを決めたいと思っています」とシュミット弁護士は法廷で語っています。
一方、Cofo EntertainmentのBrunhilde Ackermann弁護士は、一般のファンはトリビュートアクトが本物のティナ・ターナーに似ていることを期待するだろうと反論しました。この2つを混同するのは「すべてを表面的にしか見ない慢性的に愚かな人だけだ」と語っています。
Ackermann弁護士はまた、裁判所が拘束力のある判決を下した場合、長年にわたって正当なものと認められてきた、数十億ドル規模のトリビュート・アクト業界を破壊する可能性があると警告しています。
トーマス・コッチ判事はその後、ティナの訴訟の動機が、彼女がドロシアとは異なる公式のトリビュート・アクトを支持しているからではないかと疑問を呈しています。
この訴訟の最終判決は、2022年2月ごろになる見通しです。
ドロシアは、主にドイツで活動していますが、米国のヒューストン出身です。当初はクラブシンガーとして活動し、その後、1997年にベルリンへと移り、トリビュート・アクトに特化したショーに出演するようになりました。
ドロシアは、インタビューの中で、自分のトリビュート活動が「こんなに大騒ぎになるとは思わなかった」と語り、「個人的にはティナ・ターナーに悪感情はないわよ。私たちは皆、ティナ・ターナーに敬意を表したいと思っているの。彼女は皆の人生において、とても大きな存在だからね。私たちのミュージカルは彼女の音楽を通して、彼女への敬意を表現しているのよ」と付け加えています。