The Hype(U2) "Street Mission", RTE, March 2, 1978
U2が初めてテレビに出演したのは、まだ“The Hype”と名乗っていた1978年3月でした。彼らはテレビで演奏するためのオーディションで
ラモーンズ(Ramones)の楽曲を演奏し、自分たちの曲だと説明して受かったという。メンバーの
ジ・エッジ(The Edge)がインタビューの中で明らかにしており、また後にその話を
ジョーイ・ラモーン(Joey Ramone)にしたら大笑いしていたとも話しています。
ジ・エッジはトム・モレロのポッドキャスト「Maximum Firepower」に出演した際、当時のことをこう話しています。
U2が出演した番組は、アイルランドの国営テレビの若者向けの番組『Youngline』でした。
「ラモーンズは、僕らが最初に演奏の参考にしたバンドなんだ。彼らの音楽はとてもストレートだったからね。コードをベースにしていて、スピード感があって、僕らにぴったりだったんだ」
「僕たちが初めてテレビに出演したのは、どうしてかは知らないんだけど、国営放送のプロデューサーが、新しい番組を作るために若者の人材を求めて学校にやってきたからなんだ。
先生はプロデューサーに“4年生にはフルートを吹く人がいて、6年生にはまあまあのバレエダンサーがいますよ......それと、結成されたばかりのロックンロールバンドがいて、土曜日と水曜日にリハーサルをしています。今日はたまたま水曜日だから、たぶん今リハーサル中だと思いますよ”と言った。
それで関係者が僕らのところにやってきて“興味がないかもしれないけど、国営テレビに出てみない?”と言われたので、僕たちは“もちろんです!”と答えました。そこで彼らは、“10分後にプロデューサーがやってくるので、君たちの曲を1曲聴いてもいいだろうか”と言ってきた。僕たちは何を演奏するかについて10分間議論したんだけど、みんなが部屋に入ってきたときにはまだ議論の最中だったので、ノープラン、ノーアイデアという感じだった。
ボノが“僕らが演奏すべき曲は『Glad To See You Go』だ”と言って、ラリーと僕とアダムを見た、僕らはみんなで“OK”と言った。ラモーンズの曲、かっこいいよね。それで僕らはラモーンズの曲を演奏したんだけど、その人は“それは君たちの曲なのかい?”と言ったので“そうだよ!”って言ったんだ」
U2は、一度チャンスの扉を開いた後からは嘘をつかず、番組ではバンド自身の曲「Street Mission」を演奏しています。ジ・エッジは「4、5週間ほど、僕らが演奏しようとしていた曲を仕上げる時間があったんでね」と話しています。
また、ジ・エッジは「何年か後にジョーイ・ラモーンに会って、その話をしたら、彼は床を転げまわって笑っていたよ」と付け加えています。
■U2初のTV出演:The Hype "Street Mission", RTE, March 2, 1978
■U2がオーディションで演奏した曲の原曲:RAMONES - Glad To See You Go
■インタビュー映像