Led Zeppelin / Led Zeppelin IV
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)「Stairway to Heaven(邦題:天国への階段)」のオープニング部分が盗作だとして訴えられた著作権裁判。米タブロイド紙のデイリーニューズによると、原告の弁護士は、米国最高裁判所が10月にこの訴訟の審理を却下したことを受け、この問題を再検討するよう米国最高裁判所に要請したという。同紙は、最高裁判所は再審理の要請に直ちに応じなかったと伝えています。
この裁判は、ロサンゼルスのバンド、スピリット(Spirit)のギタリストだった故ランディ・カリフォルニア(本名:ランディ・ウルフ)の遺産に関する相続代理人であるマイケル・スキッドモアがランディの姉妹の支援を得て起こしたものです。「Stairway to Heaven」のオープニングのギター部分は、スピリットの楽曲「Taurus」(1968年作)を盗作したと主張。著作権の侵害に当たるとして2014年に著作権侵害で訴えを起こしていました。
レッド・ツェッペリンとスピリットは、「Taurus」が書かれた後に一緒にライヴを行っており、代理人はジミー・ペイジがトーラスの生演奏を聴いた後に「Stairway to Heaven」のリフを書いたと述べ、この2曲はコード進行が似ていると主張していました。
2016年6月、ロサンゼルス連邦地裁の陪審は著作権侵害に当たるほどの類似性はないと判断し、訴えを退けますが、2018年9月、第9巡回区控訴裁判所は、地裁の裁判官が陪審員らに不正確な説明を行っていたとして地裁に審理のやり直しを命じます。
この判断を不服とするレッド・ツェッペリン側は、裁判官の数を増やして再審理を行うよう求め、2019年9月に裁判官11人による審理が行われ、2020年3月、第9巡回区控訴裁判所は、盗作には当たらないと判断した2016年の連邦地裁の陪審評決を支持するという判決を言い渡していました。
そして2020年10月、米国最高裁判所は、同曲は著作権を侵害していないとした2020年3月の控訴裁判所の判決を支持し、この訴訟の審理を却下しています。
10月の評決後、ランディの姉妹の一人はデイリーニューズに、陪審員がランディがパーソナル録音したギター楽曲を聴くことを禁じた裁判を強く非難したという。ランディの姉妹によると、陪審員は法廷で楽譜をもとに演奏されたミュージシャンの生演奏だけを聴いたという。「陪審員は(本当の)“Taurus”を聴くことができなかったため、同一条件で比較することができませんでした。彼らが耳を傾けられない中では、私たちに有利な判決を下すことはないでしょう」と話しています。
また彼女は、ロバート・プラントがスピリットのアルバムを所有せず、バンドの演奏を生で見た記憶がないと主張しているにもかかわらず、プラントとジミー・ペイジが「Taurus」に「アクセス」していたと強調。「陪審員は(プラントを)信じていなかった。彼らはアクセスに関して我々に有利な判決を下した」と話しています。「ジェットコースターのようにいろいろなことを追体験しなければなりませんでしたが、兄弟のためにここにいられてよかったです」と付け加えています。
先にもお伝えしたように、最高裁判所は、この再審理の要請に直ちに応じませんでした。