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モリッシーのマネージャー 『ザ・シンプソンズ』のパロディを批判

2021/04/20 10:19掲載
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The Simpsons - Panic on the Streets of Springfield - (c)FOX / MATT GROENING
The Simpsons - Panic on the Streets of Springfield - (c)FOX / MATT GROENING
モリッシー(Morrissey)のマネージャーは、モリッシーやザ・スミス(The Smiths)にインスパイアされた米アニメ『ザ・シンプソンズ』の最新エピソードに腹を立てているようです。モリッシーのFacebookページに批判の声明を発表しています。

「Panic On The Streets of Springfield」というエピソードでは、リサ(シンプソン家の長女)は1980年代のインディーズ・バンドThe Snuffsの過激なビーガン(菜食主義者)のシンガーQuilloughbyに夢中になる。しかし、彼女のアイドルが太りすぎの移民排斥の肉食主義者になっていたことが分かり、彼女の夢は打ち砕かれる、という内容でした。

モリッシーのFacebookページは、この番組を「感情を害する人種差別的なもの」とする声明が掲載されています。

声明を投稿したのはモリッシーのマネージャーであるピーター・カシスで以下のような内容です。

「『ザ・シンプソンズ』の脚本が、ここ数年で“最悪の方向”に向かっていることに驚きを隠せない」

「被写体をからかうことは一つの方法だ。しかし、ショーがあまりにも低俗に行われていて、たとえばモリッシーのキャラクターがシャツからお腹を出している(彼はキャリアの中で一度もそのような姿を見せたことがない)ような、憎悪に満ちた戦術を使っている場合、本当の有害な人種差別主義者は誰なのかと考えさせられる」

「さらに悪いことに、具体的な事例を挙げずにモリッシーのキャラクターを人種差別主義者だと非難しても何の意味もない。アーティストを侮辱するだけだ」

声明はさらに、白人俳優のハンク・アザリアが最近、批判を受けて、インド人キャラクターの声優をやめたことを挙げ、『ザ・シンプソンズ』の偽善を非難しています。

番組側は、この発言についてはコメントしないとしています。

このエピソードの脚本家ティム・ロングは放送前にVariety誌の取材に応じ、このキャラクターはモリッシーだけをモデルにしたものではないと主張しています。

ティム・ロングはインタビューの中で「このキャラクターは確かにモリッシー風だけど、ザ・キュアーのロバート・スミスやジョイ・ディヴィジョンのイアン・カーティスなど、多くの人々の影響を受けている」と説明していました。ロングは、このエピソードは1980年代のイギリスのインディーズ・バンドへの愛に触発されたものだと語り、彼はThe Queen Is Deadツアーでザ・スミスを見たことが「僕の人生を変えた」と振り返っています。

「エグゼクティブ・プロデューサーのマット・セルマンもそのショーに参加していて、奇妙で疎外されたティーンエイジャーだった僕たちにとって、音楽がどれほどの意味を持っていたのか、また、誰かの大ファンになるということは、その人と一生付き合っていくようなもので、それには様々な浮き沈みがあるという話になったんだ。今回のエピソードは、その議論から生まれたものなんだ」