Summer of Soul - Photo Credit: Sundance Institute
<ウッドストック・フェスティバル>と同じ1969年に、ニューヨーク市マンハッタンのハーレム地区で開催された、“黒いウッドストック”とも呼ばれる音楽フェスティバル<ハーレム・カルチュラル・フェスティバル(Harlem Cultural Festival)>。同フェスを題材にした新作ドキュメンタリー映画『Summer of Soul』が米国で7月2日に劇場公開されます。同日には米国のHuluにてストリーミング配信も開始されます。
監督は
ザ・ルーツ(The Roots)の
クエストラヴ(Questlove)で、長編映画監督デビュー作です。
このフェスティバルでは、
スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)、
スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly and The Family Stone)、
ニーナ・シモン(Nina Simone)、
B.B.キング(B.B. King)、
ザ・ステイプル・シンガーズ(The Staple Singers)などがパフォーマンスを行っています。30万人以上が参加したにもかかわらず、このフェスティバルは当時、メイン・メディアではほとんど取り上げられませんでした。
映画のオープニングによると、このフェスティバルの映像は「地下室で50年間過ごしました。一度も公開されたことがない」という。クエストラヴと彼のプロデューサーチームは45時間以上の映像を発掘してこの映画を制作しています。
この映画では、ニーナ・シモン、B.B.キング、メイヴィス・ステイプルズ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、スティーヴィー・ワンダーなどの未公開ライヴ・パフォーマンスを含む、同フェスの映像が紹介されています。
この映画はプレミア公開された<サンダンス映画祭>で絶賛され、審査員大賞と観客賞の両方を受賞しています。
クエストラヴはこの映画について<サンダンス映画祭>で公開されたビデオでこう語っています。
「この映画を作っていて最も驚いたのは、このような素晴らしい才能を持った人々が集まり、時間とエネルギーと創造性をこのフェスティバルに捧げているということでした。これはウッドストックが開催される3ヶ月前のことです。 そして、それは記録されたが、終わった時には、ただ、あっという間に終わってしまった。誰も気にかけなかった」
映画評論家のオーウェン・グレイバーマンはこの映画についてこう語っています。
「これは他に類を見ない音楽ドキュメンタリーです。なぜなら、この映画は喜びと激変と魂の誘惑に満ちたコンサート映画だが、この映画が本当に重要なのは、アメリカにおける黒人人生の重要なターニングポイントを描いているからです」