日本のテルミン奏者・大西ようこの新アルバム『オールテルミン』が10月28日発売。アルバム前半は、類例のない浮遊感が楽しめるというテルミンのみの多重録音楽曲。後半はテルミンの為の委嘱作品。
以下、インフォメーションより
テルミンは、1920年、ロシアの物理学者レフ・セルゲイヴィチ・テルミン博士(1896~1993)によって発明された世界最古の電子楽器です。 テルミンの大きな魅力の一つに、楽器に触れずに演奏する、という演奏スタイルがあります。物理的なガイドになるものは何もなく、演奏者は単なる箱(と見えるもの)に手をかざして音曲を奏でます。空間の手の動きだけでサウンドを紡ぎ出す姿は、しばしば、舞踊の様だという感想を持つ方もいらっしゃいます。 この、ガイドのない空中で音感を頼りに音を紡ぎ出すという演奏技術の習得が極めて困難な為、世界で一番最初に作られた電子楽器でありながら、歴史の波に埋もれてしまっていた幻の楽器。それがテルミンです。
アルバム前半は、テルミンのみの多重録音です。その、類例のない浮遊感をお楽しみください。 アルバム後半では、テルミンの為の委嘱作品を収録。 使用したテルミンは、モーグ社の Etherwave Pro と、Series 91A Theremin(当時 Big Briar 社)。どちらも、アメリカのモーグ博士が中心になって開発された楽器です。 テルミンは、まだコンピューターすら無い時代に作られた世界最古の電子楽器でありながら、今なお多くの人々を魅了する温かい音色の楽器です。このアルバムが、テルミンの新しい世界への扉を開く事を祈って。
<アーティストについて>
【大西ようこ】 やの雪氏・竹内正実氏に師事。手を触れずに演奏する、という演奏技術の習得が極めて困難な為、世界で一番最初に作られた電子楽器でありながら、歴史の波に埋もれてしまっていた幻の楽器、テルミンを操る。実相寺昭雄監督の遺作となった『シルバー假面』のサントラや、『ゲゲゲの鬼太郎』等テレビアニメの効果音でもテルミンを奏でている。アルバム『燦々・碧』(8種類9台のテルミンを用いて制作)では、平成22年度(第65回)文化庁芸術祭に参加。2015年、上海音楽学園にてテルミンの講義と演奏を行う。2017年、ThereminTimesで、日本を代表するテルミニスト6人の一人に選ばれて紹介、パリ・エクサンプロバンスで公演。2004年真言宗高野山にて出家得度。
●『オールテルミン』
≪テルミンのみの多重録音≫
1.なよたけのかぐや姫(曲、編/久石譲)
2.アヴェ・マリア(曲/Giuseppe Verdi)
3.アリラン(韓国民謡、編/信長貴富)
4.揚げひばり(曲/Ralph Vaughan Williams )
5.陽関三畳(中国古謡)
6.アヴェ・マリア(曲/伝カッチーニ)
≪テルミンの為の委嘱作品≫
7.二つの風舞 〜建長寺760年に寄せて(曲/橘川琢)
8.いにしえの花(曲/竹味奈美)
9.小さなロマンス第二番(曲/今井重幸)
10.二台のテルミンとピアノのための Romanza (曲/清道洋一)
11.秋に〜テルミンとハープによる Op.88(曲/橘川琢)
≪テルミン≫
12.グルジアの歌(Serge Rachmaninoff)(Oldies Mix)
13.Ol' Man River(曲/Jerome Kern)