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ダイアナ・クラールの新アルバム『Turn Up the Quiet』から「Night and Day」が試聴可

2017/02/17 02:49掲載(Last Update:2017/02/17 16:00)
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Diana Krall / Turn Up the Quiet
Diana Krall / Turn Up the Quiet
ダイアナ・クラール(Diana Krall)の「Night and Day」が試聴可。コール・ポーター(Cole Porter)作詞・作曲によるスタンダード・ナンバーのカヴァー。この音源は新アルバム『Turn Up the Quiet』に収録



アルバムは海外で5月5日、日本で5月3日に発売。日本盤ボーナス・トラック収録予定。リリース元はVerve Records/ユニバーサル・ミュージック。

スタジオ・アルバムの発表は2015年の『Wallflower』以来。音楽プロデューサーのトミー・リピューマと再び制作を共にした作品で、ジャズ&グレート・アメリカン・ソングブックを取りあげたアルバムです。

以下、日本盤インフォメーションより

前作『ウォールフラワー』ではグラミー16回受賞の巨匠デイヴィッド・フォスターがプロデュースを務め、作家の村上春樹も自身のブログ/webサイト“村上さんのところ”で、オススメのCDとして紹介するなど話題となったが、本作ではダイアナを発掘し、アーティストとしてのキャリアをともに歩んできたトミー・リピューマがプロデュースを務めている。

トミー・リピューマはマイルス・デイヴィスやジョージ・ベンソン、そして2012年にリリースされたポール・マッカートニーのジャズ・アルバム『キス・オン・ザ・ボトム』のプロデュースも行うなど、ジャズ界の重鎮であり、90年代にはフュージョンやAORの名作を数多く手がけるなど幅広く活躍した巨匠プロデューサーで、1978年にはイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の紀伊國屋ホールでの公演を観賞し全米リリースを決定するなど、若い才能の発掘にも手腕を振るってきた。

その彼がデビュー前のダイアナの才能を見抜き、自身が運営したレーベルと契約。彼女の輝かしいキャリアを支え続けてきた。

高齢を理由に一線を退き、その後ダイアナは様々なプロデューサーと仕事をしてきたが、今回約11年ぶりにジャズ・スタンダード・アルバムを制作するために8年ぶりにタッグを組むことになった。

前作『ウォールフラワー』(2015年)はポップス・カヴァー集、前々作『グラッド・ラグ・ドール』(2012年)はアメリカン・クラシック曲集、さらにその前作『クワイエット・ナイツ』(2009年)はボサ・ノヴァ・アルバムとジャズを離れて様々なチャレンジを続けてきたが、現代のジャズ界のファースト・レディが再び、巨匠プロデューサーと共に最高のジャズ・アルバムを完成させた。
●『Turn Up the Quiet』

1: ライク・サムワン・イン・ラヴ / Like Someone In Love
1944年のアメリカ映画『ユーコンの女王』の挿入歌。主人公に思いを寄せる少女を演じたダイナ・ショアが劇中で歌い、翌年ビング・クロスビーがカヴァーし大ヒット。ジャズ・スタンダードとして様々なアーティストが名演を残していて、とくに有名なのは“ジャズ界のジェームス・ディーン”チェット・ベイカー(『チェット・ベイカー・シングス』収録)のヴァージョンと、ダイアナが所属するVerveの初期の大看板アーティスト“ファースト・レディ・オブ・ジャズ”エラ・フィッツジェラルドのヴァージョン(『ライク・サムワン・イン・ラヴ』収録)。

2: ロマンティックじゃない? / Isn't It Romantic?
1932年のフランスのマルセル・アシャール原作のミュージカル映画『ラヴ・ミー・トゥナイト』挿入歌。有名なリチャード・ロジャース作曲、ロレンツ・ハート作詞という黄金コンビによる大スタンダード(「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など有名スタンダード連発コンビです)。
オードリー・ヘップバーン主演2作目『サブリナ』でも効果的に使用され、ビル・エヴァンス『ライヴ・アット・シェリーマン・ホール』の名演をはじめ、エラ・フィッツジェラルドが1956年から毎年1枚ずつリリースしていた人気企画“ソングブック・シリーズ”において、『ロジャース&ハート・ソングブック』で取り上げたヴァージョンがヴォーカルでは極め付きといわれています。

3: ラヴ / L-O-V-E
1930年代からジャズ・ピアニストとして活躍し、その後シンガーとして、ジャズ界のみならずポップスのフィールドでスターとなったナット・キング・コール1965年の大ヒット。
肺がんで亡くなる2か月前にレコーディングを行い、生前最後の楽曲となったこの曲は7か月以上にわたり全米シングル・チャートに入り続け、その後ザ・ビートルズに抜かれるまでチャート・イン最長記録を樹立。
ちなみにこのナット・キング・コールのヴァージョンは、日本語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、フランス語でも歌われ、各国でリリースされました。日本では2004年映画『スウィングガールズ』のエンディングで起用されたことも話題になりました。

4: ナイト・アンド・デイ / Night And Day
1932年のミュージカル『陽気な離婚』でフレッド・アステアが歌い、1934年に映画化された際に(邦題『コンチネンタル』)主題歌として取り上げられたヒット・ソング。
映画音楽やミュージカルの世界で活躍した名作曲家コール・ポーターの代表曲で、彼の自伝映画『夜も昼も』でも主題歌となりました。
ヴォーカルではエラ・フィッツジェラルドの“ソングブック・シリーズ”のヴァージョンや、フランク・シナトラの歌唱がとくに有名で、ボサ・ノヴァ界の大御所セルジオ・メンデスのヴァージョンも人気です。

5: アイム・コンフェッシン / I'm Confessin' (That I Love You)
1930年に当時の人気ジャズ・ピアニスト=ファッツ・ウォーラーが「ルッキン・フォー・アナザー・スウィーティ」というタイトルでリリースするもヒットせず、翌年タイトルを「アイム・コンフェッシン」に変え、歌詞をつけたヴォーカル曲としてルディ・バレーがリリースしたところヒットしたという人気スタンダード曲。
ペギー・リーやドリス・デイなど女性ヴォーカルの名歌唱が多いので有名です。

6: ムーングロウ / Moonglow
ミュージカル『ブラックバーズ・オブ1934』に向けて作曲家ウィル・ハドソンがビッグ・バンド・ジャズ界の大スターだったデューク・エリントンの楽曲「レイジー・ラプソディ」からインスパイアされて作曲。ウィル・ハドソン本人のビッグ・バンドで初演しましたが、同年“スウィング王”ベニー・グッドマンのヴァージョンが大ヒット。ベニー・グッドマンに初の全米チャート1位をもたらしました。
更に1953年ミュージカル『ピクニック』で使われリヴァイヴァル、さらに1955年に映画化もされアカデミー賞を受賞し大スタンダードとなりました。

7: ブルー・スカイズ / Blue Skies
最初はリチャード・ロジャース、ロレンツ・ハートの名コンビがミュージカル用に書き下ろした楽曲でしたが、1927年、世界初のトーキー(音声付映画)『ジャズ・シンガー』で、主演を務めた大エンターテイナー=アル・ジョンソンがこの曲を歌い大ヒットを記録。
1946年にはビング・クロスビー、フレッド・アステアによりこの楽曲をモチーフに同名映画も制作されるほどの人気を誇りました。
カウント・ベイシーやベニー・グッドマンのヴァージョンが全米Top10ヒットを記録したほか、ヴォーカルではエラ・フィッツジェラルドやダイナ・ワシントンのヴァージョンがとくに有名です。

8: スウェイ / Sway
1953年にメキシコの作曲家パブロ・ベルトラン・ルイスによって作曲され、トリオ・ロス・パンチョスが大ヒットさせた「キエン・セラ?」という楽曲を英訳したのがこの楽曲。ラテン音楽界の大スタンダードではありますが、1954年にディーン・マーティンがカヴァーしたこの「スウェイ」が全米シングル・チャート15位、全英シングル・チャート6位という大ヒットを記録し、ジャズ界でもスタンダード・ナンバーとして親しまれるようになりました。ちなみに英訳を手掛けたのはノーマン・ギンベルで、この人は「イパネマの娘」はじめ南米音楽の英訳で大成功した人物。日本でも1959年にザ・ピーナッツがカヴァーしたほど、世界的にカヴァー楽曲が存在する楽曲です。

9: 月とてもなく / No Moon At All
作曲家デイヴィッド・マンの代表曲で、4人組コーラス・グループ“エイムス・ブラザーズ”によりポップス・ヒットを記録。
ジュリー・ロンドンが代表作『彼女の名はジュリー』で取り上げたほか、ナット・キング・コールのヴァージョンなども有名。
ピアニストにも人気の曲で、奇才キース・ジャレット、そしてキースの流れをくみ現在最も人気の高いピアニスト=ブラッド・メルドーなどの有名ヴァージョンも存在します。

10: ドリーム / Dream
キャピトル・レコードの設立者で、副社長も務めた作曲家ジョニー・マーサーが1944年に作曲したスタンダードで、自身のラジオ番組のエンディング・テーマとして使用していました。
ジャズ・コーラス・グループ=パイド・パイパーズのヴァージョンは1945年3月から18週連続全米チャート1位を記録する大ヒットとなりました。シナトラの歌唱も有名ですが、その後映画『夢のひと時』やフレッド・アステア&レスリー・キャメロン主演映画『足ながおじさん』で使用されたことでリヴァイヴァル・ヒット。

11: 夢で逢いましょう / I'll See You In My Dreams
アイシャム・ジョーンズが作曲しガス・カーンが作詞、ジョーンズが自身のビッグ・バンドで発表し1925年に16週チャート・イン、7週連続1位の大ヒットを記録。1951年にはガス・カーンの伝記映画『夢で逢いましょう』で使用されました。ルイ・アームストロングやエラ・フィッツジェラルドのヴァージョンが愛聴され、ジャズのスタンダードとして親しまれています。

+日本盤ボーナス・トラック収録予定