1: ライク・サムワン・イン・ラヴ / Like Someone In Love 1944年のアメリカ映画『ユーコンの女王』の挿入歌。主人公に思いを寄せる少女を演じたダイナ・ショアが劇中で歌い、翌年ビング・クロスビーがカヴァーし大ヒット。ジャズ・スタンダードとして様々なアーティストが名演を残していて、とくに有名なのは“ジャズ界のジェームス・ディーン”チェット・ベイカー(『チェット・ベイカー・シングス』収録)のヴァージョンと、ダイアナが所属するVerveの初期の大看板アーティスト“ファースト・レディ・オブ・ジャズ”エラ・フィッツジェラルドのヴァージョン(『ライク・サムワン・イン・ラヴ』収録)。
2: ロマンティックじゃない? / Isn't It Romantic? 1932年のフランスのマルセル・アシャール原作のミュージカル映画『ラヴ・ミー・トゥナイト』挿入歌。有名なリチャード・ロジャース作曲、ロレンツ・ハート作詞という黄金コンビによる大スタンダード(「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」など有名スタンダード連発コンビです)。 オードリー・ヘップバーン主演2作目『サブリナ』でも効果的に使用され、ビル・エヴァンス『ライヴ・アット・シェリーマン・ホール』の名演をはじめ、エラ・フィッツジェラルドが1956年から毎年1枚ずつリリースしていた人気企画“ソングブック・シリーズ”において、『ロジャース&ハート・ソングブック』で取り上げたヴァージョンがヴォーカルでは極め付きといわれています。
4: ナイト・アンド・デイ / Night And Day 1932年のミュージカル『陽気な離婚』でフレッド・アステアが歌い、1934年に映画化された際に(邦題『コンチネンタル』)主題歌として取り上げられたヒット・ソング。 映画音楽やミュージカルの世界で活躍した名作曲家コール・ポーターの代表曲で、彼の自伝映画『夜も昼も』でも主題歌となりました。 ヴォーカルではエラ・フィッツジェラルドの“ソングブック・シリーズ”のヴァージョンや、フランク・シナトラの歌唱がとくに有名で、ボサ・ノヴァ界の大御所セルジオ・メンデスのヴァージョンも人気です。
5: アイム・コンフェッシン / I'm Confessin' (That I Love You) 1930年に当時の人気ジャズ・ピアニスト=ファッツ・ウォーラーが「ルッキン・フォー・アナザー・スウィーティ」というタイトルでリリースするもヒットせず、翌年タイトルを「アイム・コンフェッシン」に変え、歌詞をつけたヴォーカル曲としてルディ・バレーがリリースしたところヒットしたという人気スタンダード曲。 ペギー・リーやドリス・デイなど女性ヴォーカルの名歌唱が多いので有名です。
9: 月とてもなく / No Moon At All 作曲家デイヴィッド・マンの代表曲で、4人組コーラス・グループ“エイムス・ブラザーズ”によりポップス・ヒットを記録。 ジュリー・ロンドンが代表作『彼女の名はジュリー』で取り上げたほか、ナット・キング・コールのヴァージョンなども有名。 ピアニストにも人気の曲で、奇才キース・ジャレット、そしてキースの流れをくみ現在最も人気の高いピアニスト=ブラッド・メルドーなどの有名ヴァージョンも存在します。
11: 夢で逢いましょう / I'll See You In My Dreams アイシャム・ジョーンズが作曲しガス・カーンが作詞、ジョーンズが自身のビッグ・バンドで発表し1925年に16週チャート・イン、7週連続1位の大ヒットを記録。1951年にはガス・カーンの伝記映画『夢で逢いましょう』で使用されました。ルイ・アームストロングやエラ・フィッツジェラルドのヴァージョンが愛聴され、ジャズのスタンダードとして親しまれています。