Steve Harris / British Lion
アイアン・メイデン(Iron Maiden)の中心人物である
スティーヴ・ハリス(Steve Harris)が発表する初のソロ・アルバム『British Lion』。日本でも発売に。国内盤は『英吉利の獅子』の邦題で10月3日予定(英:9月24日)
以下はプレスリリースの日本語訳
EMIは、アイアン・メイデンのスティーヴ・ハリスがソロ・アルバムをリリースすることをここに発表。
これは、結成当初からアイアン・メイデンの中心メンバーとして活動してきたスティーヴにとって、初のソロ・プロジェクト/サイド・プロジェクトに当たるものだ。
『BRITISH LION』と題されたこのアルバムは全10曲で構成されており、スティーヴと彼の仲間たちが過去数年間に亘って、アイアン・メイデンでのツアーやレコーディングの合間を縫って作り上げたものだ。世界中の音楽ファンを驚かせ、そして大いに喜ばせるに違いない。
『BRITISH LION』は全編を強力にハードなバイブレーションで貫きつつ、哀愁、陰影、義憤、そして無敵のへヴィネスと、実に多彩な魅力に溢れたソロ・アルバムだ。プロデューサーは、レッド・ツェッペリン、ジャーニー、ラッシュ等を筆頭に数多くのアーティストを手掛けてきたケヴィン・シャーリーで、まさに垂涎の1枚といっていい。
アルバムは、激しさ極まるオープニング・トラック「This Is My God」の唸りを上げるギターリフで幕を開け、リチャード・テイラーのスケール感溢れるボーカルが際立つ絶望感に満ちたバラード「Lost Worlds」へと続いていく。この時点で、『BRITISH LION』はメイデンとはまるで違うタイプのモンスターであると気がつく。
葬送曲を思わせるような力強い「Karma Killer」や、超強力なコーラス部が魅力の「Us Against The World」など、スティーヴ・ハリスの幅広い才能には際限がないのではないかと思えるほどに『BRITISH LION』は多彩だ。ギタリストのデヴィッド・ホーキンスの弾く素晴らしくリリカルでメロディックなメロディですら、怒涛のリフが押し寄せる堂々たる大作「The Chosen Ones」の先導者役でしかなくなるほどだ。
プログレッシヴ・ロックの要素を採り入れた「A World Without Heaven」は、息をもつかせぬ7分間を提供しながら自己満足に陥る気配すら見せない。自ら生み出した楽曲の持つ世界観をぶれることなく最後まで持続させることのできる彼らの作曲能力がいかに優れたものであるかを如実に物語る好例だ。スティーヴ・ハリスならではのパワー感全開のこの曲が伝えてくる、何もかもがカテゴライズされる昨今の音楽業界においては場違いとも思えるような本気の真剣さに、心が洗われるようだ。
『BRITISH LION』というネーミングに関して、スティーヴが次のように語ってくれている。「イギリス人であることを俺はいつも誇りに思っているんだ。なぜかはさっぱりわからないけど、俺自身でいるためには絶対に必要なことさ。愛国主義者でもないし、説教をしたいのでもないよ。政治的な意味は全然ないんだ。自分の地元の、好きなサッカーチームを応援するような感覚だね。それが何か一つの強力なイメージ生み出す力にもなると思うし、俺にとってはそれがサウンドととても合っているんだ。」
スティーヴ・ハリスはブリティッシュ・ロックを世界中に広める役割として最も有名かつ有能な英国大使だろう。アイアン・メイデンとして35年間のバンド活動期間中に15枚のスタジオアルバムをリリースし、全世界で8千5百万枚以上のセールスを記録、58カ国2千カ所以上でのライブを行っている彼の影響力は、文字通りグローバルなものだ。そしてこの『BRITISH LION』で、スティーヴはアイアン・メイデンという威光にすがることなく、彼の音楽ビジョンの新たな側面を見せてくれようとしているのだ。