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フライング・ロータスの新作『Until the Quiet Comes』が日本でも発売に

2012/07/19 11:23掲載
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Flying Lotus / Until the Quiet Comes
Flying Lotus / Until the Quiet Comes
フライング・ロータス(Flying Lotus)の新作『Until the Quiet Comes』が日本でも発売に。国内盤は9月26日でボーナス・トラック追加予定(英:10月1日、米:10月2日)。

スタジオ・アルバムの発表は2010年作『Cosmogramma』以来、2年ぶり。前作に引き続き、レディオヘッド(Radiohead)トム・ヨーク(Thom Yorke)が参加しており、またサンダーキャット(Thundercat)エリカ・バドゥ(Erykah Badu)、Niki Randa、Laura Darlingtonも参加しています。

以下は国内盤プレスリリース
フライング・ロータスの作品はすべてが事件だ。機械的に、一定の間隔でリリースされることはなく、また方程式に従って作られることはない。音楽に宇宙的感覚や究極の自己内省を求めるリスナーにとって、それらはパズルを埋める新たなピースであり、またその他の一般的なリスナーにとってはとにかく壮大で圧倒的な存在となりながら波紋を広げてきた。最先端の音楽シーンに置いて、もはや誰もが認める中心人物として君臨するフライング・ロータス。その作品群は、ジャズやソウル、エレクトリック・ミュージックにおける過去の偉大な巨匠たちが抱いた野心やヴィジョンを共有し、それでいて、誰も見たことがない圧倒的な未来を描いている。

フライング・ロータスの『Cosmogramma』が起こした波紋は、今も尚広がり続け、その影響下で様々なアーティストが素晴らしい作品が生み出している。『Cosmogramma』は、フライング・ロータスが住む宇宙を描いた作品だ。シンセサイザーは常軌を逸したソウル・ジャムを奏で、ディープなフリー・ジャズ遊牧民たちによって創られた大きなうねりは壮大なオーケストラへと見事に昇華されている。またカリフォルニアの音楽シーンがレディオヘッドと密接な関係を築くきっかけにもなった一枚である。そして、『Cosmogramma』という“スペース・オペラ”の残光から、フライング・ロータスの次なる作品の芽は生まれていた。

『Until the Quiet Comes』(静寂が訪れるまで)

フライング・ロータス本人曰く「神秘的事象、夢、眠り、子守唄のコラージュ」として創作された本作は、“夜行性の情緒を携えた向こう側の世界への旅”という特殊な感覚を纏っている。点滅しながら徐々に意識が遠のき、潜在意識の世界へ。焦点の合わない不可思議な感覚が訪れると、未知なる旅が始まる。作品全編を通してサウンドには緊張感が漂い、相互に作用するメロディとリズムが優雅な展開を描き出す。それらはまるでフライング・ロータスのDNAに刻まれているアート・フォームを丹念に抽出したかのようだ。コズミックなベースの重厚さとコンピューターを駆使したアレンジの融合は、これまでに音楽史上に登場したいかなる作品よりも見事で、プロデューサーとして、コンポーザーとしての飛躍的な成長を証明するだけでなく、よりディープなコンセプトが収録曲のすべての基盤になっていることを示している。また前作以上に豪華なアーティストが参加していることも忘れてはならない。

フライング・ロータスによって支配された美しいカオスに完全に溶け合う才能はそう多くはない。長年に渡ってコラボレーションを続けてきたニキ・ランダとローラ・ダーリントンが再び今作にも参加し、フライング・ロータスが彼女等との共演にこだわるその魅力を証明している。また前作に続いてトム・ヨークとの共演も再び実現し、デジタル・フリー・ジャズとでも形容できそうな”Electric Candyman”(M-14)で二人にしか創り得ないディープなコラボレーションを披露。また『Cosmogramma』におけるその類稀なベース・プレイで、ブレインフィーダー・クルーの新たな顔役となったサンダーキャットは、本作でもアルバム全編に渡ってベースをプレイし、新世代のサイケデリックなソウル・アンセム”DMT Song”(M-11)ではヴォーカリストとしてもフィーチャーされている。さらに、本作品では新たに90sネオ・ソウルの核心にしてレフト・フィールド R&Bの女王、エリカ・バドゥが参加しており、アルバムのハイライトの一つである”See Thru to U”(M-9)で祈願の共演を果たしている。

フライング・ロータスは、今最も急進的かつ広範囲に成長している音楽シーンの中心に存在し、活気あるロサンゼルスを拠点に様々な同志を集めてきた。ジャンルの垣根をもろともしない、それらのスタイリスティックなコラボレーションは、音楽シーンの方向性を変えてしまうほどの影響力を持つ。それもすべて彼の確固たる姿勢とコンセプトの深さによるものだ。しかし、歴史的金字塔『Cosmogramma』を世に送り出してからもなお驚異的なスピードで飛躍を続けながらも、ベースライン、そしてビートが生み出す独特の”グルーヴ”という重要な基盤を失うことはない。それはかつてジャズやソウルの巨匠たちが、愛する人のために書いた楽曲に、美しく思慮深いテーマを隠し、多くの人々を魅了してきたのと同じだ。『Until the Quiet Comes』は伝統的な音楽理論に基づいた作品でありながら、まったく新しい方法論を提案している。それこそが傑作の証なのだ。


●『Until the Quiet Comes』

01 All In
02 Getting There [ft. Niki Randa]
03 Until the Colours Come
04 Heave(n)
05 Tiny Tortures
06 All the Secrets
07 Sultans Request
08 Putty Boy Strut
09 See Thru to U [ft. Erykah Badu]
10 Until the Quiet Comes
11 DMT Song [ft. Thundercat]
12 The Nightcaller
13 Only if You Wanna
14 Electric Candyman [ft. Thom Yorke]
15 Hunger [ft. Niki Randa]
16 Phantasm [ft. Laura Darlington]
17 me Yesterday//Corded
18 Dream to Me

+国内盤ボーナストラック