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映画保存のエキスパートによる「物質としての映画」にまつわるエッセイ集『映画という《物体X》』が発売

2016/08/23 18:05掲載
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映画という《物体X》〜フィルム・アーカイブの眼で見た映画
映画という《物体X》〜フィルム・アーカイブの眼で見た映画
映画保存のエキスパートが明かす、“物質”面から捉えた映画の新しい魅惑。「物質としての映画」にまつわるエッセイ集『映画という《物体X》〜フィルム・アーカイブの眼で見た映画』(著:岡田 秀則)がリットーミュージックから9月23日発売。

以下、インフォメーションより

過去の文化遺産を保存・運用する「アーカイブ」。その仕事は現在ますます注目を集め、21世紀は「アーカイブの時代」とも呼べるでしょう。本書は、そのアーカイブを映画という分野で担ってきた著者による、「物質としての映画」にまつわるエッセイ集です。曰く、映画フィルムは牛からできている。映画フィルムは正しく救わないと爆発してしまう。映画フィルムはしばしば遠い旅に出てしまう。そんな不思議なお騒がせ者だけれど、フィルムの映画こそ未来に残すべき本物の「映画」なのです。
本書では、そんな映画の赤裸々な姿が、土地や歴史を縦横無尽に行き来しながら語られます。そして、映画アーカイブの基本思想は「すべての映画は平等である」。小津安二郎も成人映画も区別なく、7万本以上の映画が快適な環境で未来へ引き継がれてゆく映画アーカイブの収蔵庫は、そのような映画への新たな視座を生み出す場所でもあります。
巻末には蓮實重彦氏との対談を収録!
●『映画という《物体X》〜フィルム・アーカイブの眼で見た映画』

著者:岡田 秀則
定価:1,944 円(本体1,800円+税)
仕様:四六判/256ページ
発売日:2016.9.23
ISBN:9784845628636

【CONTENTS】
■はじめに 生まれたからには、すべて映画は映画

■第一章 なぜ映画を守るのか
すべての映画は平等である
「映画を守ろう」と言ったのは誰?
日本では映画は保存しないようです、とアラン・レネは言った
映画が危険物だったころ
地域映像アーカイブの可能性
映画は牛からできている
映画館を知らない映画たち

■"私たち”の映画保存に向かって 対談:石原香絵

■第二章 フィルム・アーカイブの眼
映画は密航する
映画は二度生まれる
観たことのない映画に惚れた話
いまなぜ映画館が必要なのか
ジョナス・メカスの映画保存所に行った
寝た映画を起こそう
映画を分かち合うために

■私のシネマテーク修業日記 ノンフィルムの巻

■第三章 映画保存の周辺
小さな画面、大きな画面
ある映画館の100年 ノスタルジーを超えて
我らが「紙の映画」?チラシとパンフレット礼讃
映画はなくても映画史は立ち上がる
3D映画、敗北の歴史

■シネマテークの淫靡さをめぐって 対談:蓮實重彦

<著者 プロフィール>
岡田 秀則(おかだ ひでのり)

1968年愛知県生まれ。東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員として、映画のフィルム/関連マテリアルの収集・保存や、上映企画の運営、映画教育などに携わり、2007年からは映画展覧会のキュレーターとして活動。また映画史ライターとして、学術書から一般書まで世界・日本の映画史を踏まえたさまざまな論考、エッセイを発表している。共著に『映画と「大東亜共栄圏」』(森話社、2004年)、『ドキュメンタリー映画は語る』(未來社、2006年)、『甦る相米慎二』(インスクリプト、2011年)、『岩波映画の1億フレーム』(東京大学出版会、2012年)、『クリス・マルケル 遊動と闘争のシネアスト』(森話社、2014年)など。

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