HOME > ニュース >

ブルース・スプリングスティーン初の自伝『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』 序文が公開

2016/08/19 13:08掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
Bruce Springsteen / Born to Run [自伝]
Bruce Springsteen / Born to Run [自伝]
ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)初の自伝『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝(原題:Born To Run)』。序文がスプリングスティーンの公式サイトで公開されています。

2016年9月27日に全世界で同時発売となる自伝はスプリングスティーン自身が7年かけて書きあげたもの。2009年のスーパー・ボウルのハーフタイム・ショウ出演の直後から着手して、アルバム制作や長期のツアーで忙しい日々の合間を縫って書き進め、ニュージャージー州フリーホールドで育った幼い日々から始まり、その半生と音楽キャリアが興味深い逸話満載で語られています。原書は500ページにも及ぶ作品となっており、早川書房より発売される日本版は上・下巻に分かれて発売されます。

自伝についてスプリングスティーン自身はこう語っています。

「自分について書くっていうのは、馬鹿げた行為だとは思う。でも、こういうプロジェクトでは、筆者には1つの誓約がある。読者に自分の心の中を見せるっていうことだ。俺はこの本でそれを試みたんだ」(ブルース・スプリングスティーン)

【『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』序文】
(※訳はソニー・ミュージック)

まえがき

 おれはボードウォーク(木製の遊歩道)の街の出だ。そこは何もかもが少しばかり、いんちきで染まっている。おれもそうだ。20歳のときにはもう、レースカーを駆る反逆者ではなく、アズベリー・パークの巷(ちまた)のギター弾きになり、真実を伝えるために「嘘」をつく者たち……すなわち、ありふれたアーティストの一員になっていた。だがおれには、きれいな4枚のエースがあった。若さと、10年近い本格的バー・バンドの経験と、おれの演奏スタイルに慣れた地元生まれの優れたミュージシャンの一団と、語るべきひとつの物語だ。

 この本はその物語のつづきであり、その始まりの探求でもある。おれは人生のさまざまな出来事を自分の糧(かて)にしてきた。そういう出来事が、その物語とおれの演奏を形づくっているのだと思う。おれが一般のファンに何度も訊かれる質問のひとつは、「どうやってやっているのか」だ。この本の中でおれはその「どうやって」と、さらに重要な「どうして」を、少しばかり解明してみたい。

ロックンロールのサバイバル・キット

 DNA、持って生まれた才能、技巧の研究、美学の涵養(かんよう)とそれへの献身、むきだしの欲望……名声への……愛への……賞賛への……注目への……女への……セックスへの……それに、そう……金への欲望。そして……その欲望を夜の果てまであくまでも持っていきたいと思うこと……穴の中で燃える激しい炎を……決して……消さないこと。

 こちらが魔法をかけてみせるのを歓声をあげて待っている八万人の(あるいは80人の)ロックンロール・ファンを前にしたときには、こういうものが役に立つ。彼らはこちらが帽子から、空中から、この世界から何かを取り出してみせるのを待っている。今日ここにファンが集められる前は、ただの噂でしかなかったものを。

 この本でおれは、どこまでもとらえどころがなく、どうにも信用しきれない「おれたち」の、ありのままを見せようと思う。それがおれの魔法だ。そして、優れた魔法はみなそうであるように、おれの魔法も仕込みから始まる。というわけで……。

http://brucespringsteen.net/news/2016/born-to-run-foreword

自伝に合わせて“音楽自叙伝”『チャプター&ヴァース』もスプリングスティーンの67歳の誕生日9月23日にリリースされます。自伝の「オーディオ・コンパニオン」(音楽による手引き)と呼ばれるブルースが自ら編集したアルバムで、「チャプター」(章)は自伝、「ヴァース」(歌詞)は音楽を指しています。自伝の中に登場するテーマに沿って、スプリングスティーン自身が選ぶ「最重要曲」が彼の音楽史を追いかけるように並んでいます。最大の注目は、デビュー前の若き日の未発表音源5曲が収録されていること。高校時代に活動していた最初のバンド、キャスティールズでの人生初録音曲「Baby I」で始まり、スティール・ミル、ブルース・スプリングスティーン・バンド、ソロのデモと貴重な録音が公式に日の目を見ます

トレーラー映像
【商品情報】 

●ブルース・スプリングスティーン『チャプター&ヴァース』

Bruce Springsteen/Chapter & Verse

国内盤2016年9月23日発売 SICP- 4985 1CD  \\2400+税

解説:五十嵐正 対訳:三浦久


<収録曲>

1.ベイビー・アイ - ザ・キャスティールズ(未発表曲)*人生初録音曲

2.ユー・キャント・ジャッジ・ア・ブック・バイ・ザ・カヴァー - ザ・キャスティールズ  (未発表曲)

3.ヒーズ・ギルティ(ザ・ジャッジ・ソング)- スティール・ミル  (未発表曲)

4.バラード・オブ・ジェシー・ジェイムス ? ブルース・スプリングスティーン・バンド (未発表曲)

5.ヘンリー・ボーイ  (未発表曲)

6.成長するってこと(1998『トラックス』収録のデモ・ヴァージョン)

7. 7月4日のアズベリー・パーク(サンディ)(1973『青春の叫び』収録)

8.明日なき暴走(1975『明日なき暴走』収録)

9.バッドランド(1978『闇に吠える街』収録)

10.ザ・リバー(1980『ザ・リバー』収録)

11.僕の父の家(1982『ネブラスカ』収録)

12.ボーン・イン・ザ・USA(1984『ボーン・イン・ザ・USA』収録)

13.ブリリアント・ディスガイズ(1987『トンネル・オブ・ラヴ』収録)

14.リヴィング・プルーフ(1992『ラッキー・タウン』収録)

15.ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード(1995『ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード』収録)

16.ザ・ライジング(2002『ザ・ライジング』収録)

17.ザ・ロング・タイム・カミン(2005『デヴィルズ&ダスト』収録)

18.レッキング・ボール(2012『レッキング・ボール』収録)

.



●ブルース・スプリングスティーン自伝本

タイトル:『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』(上・下)

著者:ブルース・スプリングスティーン

翻訳:鈴木恵、加賀山卓朗・他訳

解説:五十嵐正

判型:46判上製単行本

発売日:2016年9月27日(全世界同時発売)

出版社:早川書房