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『POPEYE』最新9月号の特集は「ジャズと落語」

2016/08/09 16:16掲載
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POPEYE2016年9月号
POPEYE2016年9月号
ファッション&カルチャー誌の『POPEYE』。8月9日発売の最新9月号の特集は「ジャズと落語」。「ジャズと落語は似ているか?それはおいといて、とにかくどっちもいいもんだ」

以下、出版元マガジンハウスのサイトに掲載された担当編集者のコメントより

☆From Editors 1

小噺をひとつ……。

ジャズと落語と申しますと、古今亭志ん朝師匠が『セロニアス・モンク ラウンド・アバウト・ミッドナイト』なんて本の中で、実父であり師匠の古今亭志ん生の名を挙げて、こんなことを言っておられます。
「モンクは、志ん生だね」と。
その心はってぇと、二人とも“フラ”がある、と。この“フラ”ってのは「声音とか、口調とか、顔から受ける印象とかで、同じことを言っても何かおかしい、そういう雰囲気を持ってる人」をさして“あの人はフラがあるね”、なんて言う。それが2人にはあって、特に志ん生なんてその“フラ”のかたまりだって、そういうワケです。そんな風にジャズがお好きだった志ん朝師匠は、同じ本で谷中の『シャルマン』というジャズバーに毎晩のように通っていたともおっしゃっております。
志ん朝師匠の他にも、ジャズが好きな落語家さんってのは多いもんで、今号では立川志の輔師匠も、ジャズと落語の両方についてお話ししてくれてます。またその逆で、ジャズミュージシャンの山下洋輔師匠も、その両方についてお話してくれったってんだから、ありがてえ。ジャズと落語ってのは、似てるかどうかは別としても、きっと遠からず近い所にある気がするもんなんでゲスな。
幸い、あたしたちはジャズと落語にすぐアクセスできる素晴らしい世の中に暮らしております。例えば「浅草演芸ホール」ある浅草にも、「らくごカフェ」のある神保町にも、いいジャズ喫茶やレコードショップといった“ジャズ屋”がございます。すると、こんな環境を使わない手はございませんと、こうなるわけです。
え? じゃぁなにがキッカケになんだって? そりゃあ今回の本誌を読んで、「じゃァ、ずっと聞いてこなかったけど、ちょいと試してみようかね」って、そうなってもらえれば、コレ幸いってそういう噺なんでゲスよ。
(なぁんて落語っぽい感じに書きたくなっちゃうくらいに面白い落語、そしてジャズ! 聞かないなんてもったいないよ!)
岩渕大介(本誌担当編集)


☆From Editors 2

真夏のジャズと落語へのお誘い。

今年の夏も暑い。何もする気が起こらない。でもね、ぼんやりしていたら、あっという間に過ぎてしまう。今年の夏は1度きりしかないんだよ! 9月も半ばを過ぎたときに、夏の“手応え”が1つもなかったら寂しいじゃないか! という熱い気持ちも若干ありつつ、この夏、ポパイは“ジャズと落語”を始めることにしました。実は、この2つが体に入ることで「“洒落た大人”に近づけるはず」という想いがあって、ずっと気になっていたのだ。気になっていながら、そのままにしておくのは、やっぱり居心地が悪い。なにより、ジャズと落語を始めるのに夏ほど相応しい季節はない! 
まず、涼しい部屋で日がなジャズや落語を聴く気持ち良さは言わずもがな。街に出ても、ジャズと落語に心地よく浸ることができる。例えば、土曜日の新宿。夕暮れ時に出掛け、植草甚一も常連だったジャズ喫茶『DUG』で、アイスコーヒーを飲みながら1〜2時間ほど過ごす。そして、伊勢丹からほど近い『新宿末廣亭』へ。21時半から始まる深夜寄席で軽快に落語を楽しんで午後23時頃。そこから、歌舞伎町のジャズ喫茶『ナルシス』に行って、終電までもうひとジャズ。こんな“真夏の夜のジャズと落語”なんてどうだろう。
馴染みの街のそこかしこに、目をこらせばジャズと落語を楽しめる場所がたくさんある。涼を取りながら、ジャズと落語に耳を傾けてみよう。ウンチクよりも“体感”としてのジャズと落語。今号のポパイを読んで、“新しい世界”の扉を開けてみようよ。まだ僕らも入り口付近をうろうろしてます。みんな、待ってるよ!
山口淳(本誌担当編集)

http://magazineworld.jp/popeye/popeye-833/
●『POPEYE2016年9月号』

<CONTENTS>

特集
ジャズと落語。
028 人生とやらをちょっぴりわかった気にさせてくれるもの。
――立川志の輔
032 ダメなもの、ヘンなことほど惹かれてしまう。
――山下洋輔
036 ジャズと落語の街に行こう。
1. 新宿 2. 神保町 3. 渋谷 4. 浅草 5. 野毛
046 僕の好きなジャズと落語。
060 若きジャズメンと落語家に会ってきた。
――黒田卓也、春風亭一之輔
064 JJとAAの勉強。
066 噺家の落語論イッキ読み。
070 僕はこんなジャズと噺を聴いてきた。
――ピーター・バラカン、東出昌大
074 東京のジャズ喫茶、ときどきバー。
078 ジャズをもっと知りたくて、岩手のレジェンドを訪ねた。
084 JAZZで迷ったらDISC SHOP POPEYEヘ。
088 ポパイの落語プレイリスト。
090 今さら聞いちゃう、キホンのキ。
098 JAZZ & RAKUGO TIMES
JAZZ COLUMN
057 はじめてのジャズ――清水ミチコ
068 街とジャズ――野村訓市
082 日本ジャズ偉人伝――柳樂光隆
096 映画の中のジャズとエロス――三宅 唱
RAKUGO COLUMN
058 はじめての落語――中島 歩
069 噺家異端伝――九龍ジョー
083 落語家のレアグルーブ――横山 剣
097 妄想『笑点』論――せきしろ
015 POP×EYE
129 popeye notes
   
POPEYE JOURNAL
121 cero髙城晶平のスモールタウントーク ゲスト/横山 剣
123 坂口恭平の『ポパイ大学』
124 本と映画のはなし。 斎藤久夫
125 音楽のこと。 ケイスケカンダ
126 It’s a Small & Wonderful World.
田原総一朗、やけのはら、岡宗秀吾、大久保佳代子、山本康一郎、堀 道広
128 新連載
AMETORA W・デーヴィッド・マークス
134 Popeye Forum
136 フード/DJみそしるとMCごはん 調査隊/しまおまほ
137 エレクトロニクス/ピエール瀧 映画/三宅 唱
138 僕の好きな車 横山 剣
139 東京タイアップデート 大根 仁
140 シティボーイの憂鬱
141 ブロンソンに聞け RETURNS みうらじゅん+田口トモロヲ
142 My Archive 中村ヒロキ
143 GELCHOPのレッツD.I.Y.
144 ボクと後輩 平野太呂
146 料理と本の話。 松浦弥太郎
148 日々の事 ピーター・サザーランド
150 TO DO LIST
152 HELLO My Name is…
160 ジョン&ポール 待ち伏せは来月まで待って… 死後くん / 次号予告
※リリー・フランキーの珍道中絵日記は筆者都合により休載させていただきます。