“The Rattle Thar Lock World Tour”の初日公演はクロアチアのプ―ラ・アリーナで行なわれた。プ―ラ・アリーナはローマ時代の円形闘技場で、紀元1世紀に建造されたクロアチアの歴史遺産としても有名な場所。ステージには数々のピンク・フロイドのツアーで使用されていた巨大な円型スクリーンが登場、想像力を掻き立てる様々な神秘的な映像が映し出され、ピンク・フロイド時代を彷彿させる「音と映像の融合」を見事に再現したライヴ・パフォーマンスを繰り広げた。
セットリストにはピンク・フロイドの名曲の数々が登場。2部構成のファースト・セットでは、1973年の名盤『狂気』の「マネー」「アス・アンド・ゼム」がデヴィッド・ギルモアのソロ・ツアーでは初めて演奏され、 1975年『炎』より「あなたがここにいてほしい」、1994年『対(TSUI)』の「運命の鐘」などが演奏された。休憩のあとのセカンド・セットのオープニングはピンク・フロイドのデビュー盤1967年『夜明けの口笛吹き』の「天の支配」、続けて1975年『炎』から「クレイジー・ダイアモンド」、更に1970年『原子心母』から「デブでよろよろの太陽」と3曲連続披露。また、こちらもデヴィッド・ギルモアのソロ・ツアーでは初めて披露された1987年『鬱』の「時のない世界」、1980年『ザ・ウォール』の「ラン・ライク・ヘル」など、全20曲中、11曲ものピンク・フロイド・ナンバーを披露した。(「アス・アンド・ゼム」と「ラン・ライク・ヘル」はデヴィッド・ギルモアにとってピンク・フロイドの1994年”The Division Bell Tour”以来約21年振りのライヴ演奏)。アンコールの「タイム?ブリーズ(リプライズ)」(『狂気』収録)ではピンク・フロイド時代のライヴでも使用された映像がスクリーンに投影。ラストの「コンフォタブリー・ナム」(『ザ・ウォール』収録)ではギルモアの天にも昇るが如く、素晴らしいギターソロで5000人の観客を魅了した。