Sherwood & Pinch / Late Night Endless
エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)とピンチによるユニット、
シャーウッド&ピンチ(Sherwood & Pinch)。初のフル・アルバム『Late Night Endless』が全曲フル試聴可。発売は日本で1月14日、海外で2月9日。
2013年にリリースしたEP『Music Killer EP』に続く作品リリースで、アルバムとしては今回が初。
以下、プレスリリースより
ピンチ、ラシャド・ベッカー、そしてエイドリアン・シャーウッドが織り成す決して明けることの無い宴。狂威のマシン・ダブ・サウンドがここに。
ポスト・ダブステップ/ベース・ミュージックの流れは、さまざまなジャンルと結びつき、多様化の一途である。いや、しかし本作をその流れだけで語ることなかれ。これは、現在のテクノ〜電子音響など、エレクトロニック・ミュージックの”現在”をも飲み込み、”空気の暴力”とも言えそうなベースが支配する、巨大なうねりとなるエレクトロニック・ダブの最新型だ。
1970年代末より、〈ON-U〉を牽引し、UKのルーツ・ダブのみならず、ポスト・パンク、そしてダンス・ミュージックにおいても、”ダブ”道を邁進してきたエイドリアン・シャーウッド。そして2005年にレーベル〈Tectonic〉を設立し、ブリストル・ダブステップの頭目として、ベース・ミュージックを進化させてきたピンチ。このふたりによるコラボである。
このふたりの音である、大前提としてルーツ・レゲエ/ダブ由来のUKのベース・カルチャーの歴史がそのサウンドの根っこに横たわる。しかし本作の魅力はそれだけではない。このコラボならではの、ピンチらしい、最新のインダストリアル・ベース・サウンドへも接続する部分に注視すべしである。それは、ピンチが〈CO.LD〉というレーベルをわざわざ立ち上げてまで展開する感覚ともいえる。そのクールでミニマル、そしてインダストリアルなベース・サウンドは、テクノとも結びつきひとつの波を作っている。ブリストルの朋友、先ごろ来日した〈LIVITY SOUND〉や、レフトフィールドな電子音響からベース・ミュージック〜テクノへと乗り出した〈PAN〉などのレーベルから刺激的な作品がリリースされ、テクノからはさらに重鎮、リージスやサージョンといった古参アーティストたちがそうした流れに援護射撃を放っている。いまや“インダストリアル”は、ベース・ミュージック以降の新たなエレクトロニック・ミュージックの動きを象徴する重要な現象だ。本作は、そんな流れとも接続しつつ、我が道をいく。
思い返せばインダストリアル・ダブといえばご存知の通り、元祖はエイドリアン(1980年代、タックヘッド、ミニストリーやノイバウテンをミックスした)だ、それを考えれば、彼らふたりを結ぶ方程式からの順当な答えとも言えるのかもしれない。
さらに本作の聴きどころをひとつ。それはやはりサウンド全体、そのものの“鳴り”だ。サウンドシステムとDAWの進化とともにエレクトロニック・ミュージックはもはやその“鳴り”すらも表現と成立している現状がある。ここにはピンチの最新の感覚と、エイドリアンの熟年の職人技が息づいている。この音質の感覚はもはや“空間芸術”と言った方がいいだろう。
そしてこの“鳴り”を生かす、マスタリングを手がけているのはベーシック・チャンネル傘下の伝説のスタジオ、Dubplate & Masteringのラシャド・ベッカー。前述の〈PAN〉などからレフトフィールドな電子音楽家としても活躍中、そしてそのマスタリング・エンジニアと しての手腕はベルリンのテクノ/電子音響系のアーティストたち、特にうるさ方さえも黙らせてしまう。現在のエレクトロニック・ミュージックの最高のマスタリング・マスターが手がける、エレクトロニック・ダブの最新系。この音が悪いはずがない。
シャーウッド&ピンチのアルバムデビュー作『Late Night Endless』は、2015年1月14日(水)にボーナストラック追加収録で日本先行でリリースされる。
●『Late Night Endless』
国内盤:2014年1月14日(水)発売
BRC-452 ¥2.200+税
1. Shadowrun
2. Music Killer Dub
3. Gimme Some More (Tight Like That)
4. Bucketman
5. Wild Birds
6. Stand Strong
7. Precinct of Sound
8. Different Eyes
9. Africa 138
10. Run Them Away
11. Heat Rising (Bonus Track for Japan)