
Stevie Ray Vaughan and Huey Lewis
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)は1984年のツアーのオープニング・アクトにスティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルを迎えました。ヒューイ・ルイスはSNSで、この起用の経緯と、彼がいかにして
スティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)を支えたのかを語っています。
「1984年頃、僕たちのツアーは完売だった。エージェントが“オープニングアクトは誰にする?”って聞いてきたので、僕は“スティーヴィー・レイ・ヴォーン”って答えた。すると彼は“それ誰?”って言うから僕は“レコードを聴いてみろ”と言ってレコードを送った。そうしたら彼は“最高だ。検討させてくれ”と言った。
当時、スティーヴィー・レイのマネージャーは、当時の彼らの実力以上のギャラを要求してきた。すると僕のエージェントはこう言った。
“ばかげてるよ。こんな金額は払えない。あいつらにはそんな価値はない。ツアーに起用することで、こっちが助けてやってるようなもんなのに。むしろ向こうが金を払うべきだろ。(その後も、ああだこうだと続く)”
でも僕は言った。“もういいから払ってやれ。信じてくれよ。あとで絶対良かったと思うから”。
最初の公演はオクラホマシティだった。僕は早めに会場に到着して、そのままステージ袖に直行した。スティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブル――(ベースの)トミー・シャノンと(ドラムの)クリス・レイトン。とにかく圧倒的だった。曲が終わると一瞬の静寂があった。そして観客がこう叫び始めた。“ヒューイ!ヒューイ!ヒューイ!ヒューイ!”
僕は思ったよ。“なんてこった、ひどいな。みんな、この凄さが分かってない”。本当に信じられなかったよ。
ダブル・トラブルは演奏を終えると、観客の反応に嫌気がさして、バスに戻っていった。
僕はそのバスに乗り込んで、こう言った。
“なあ、みんな。君たちは本当に素晴らしい。だけどね、こういうことなんだ。観客は僕たちことに思い入れがある。僕たちの曲も知ってるし、会場に来る途中の車の中でもアルバムを聴いてきている。だから、どんなに君たちが素晴らしくても、どうしたって“このあと出てくる僕らの方がもっとすごいはずだ”って思い込んでるんだ。ここで勝とうとしても無理なんだよ。
でもね、今夜、観客のみんなが家に帰ったら、こう言うはずだ。『そういえば、最初のバンドってなかなか良かったよな』って。
だから気楽にやろう。思いきり楽しんでくれ。信じてほしい、これは君たちにとって、いいことになるよ”
彼らはその通りにしてくれて、ツアーは本当に素晴らしいものになった。スティーヴィー・レイは毎晩ステージに上がって、僕らと一緒に“Bad Is Bad”を演奏してくれた。ツアー中ずっと、僕たちは片時も離れない仲だったよ」