好きではないのに、なんとなく手に取ってみたら通じ合うものを感じる。でも、好きじゃないはずと自分に言い聞かせて、その場を去る。が、どうしても頭から離れなくて、再び店を訪れるが、もう売れてしまっていた。20年経った今でも後悔している。
ジェイク・E・リー(Jake E. Lee)はGuitarist誌の新しいインタビューの中で、自身にとって最大の“買わなかったことへの後悔”について語っています。
「今から20年くらい前かな。地元のギターショップに行って、何かいいのがないか見ていたんだ。新しいものは特になかったけど、そこに1967年製のテレキャスターがあった。でも俺はテレキャスターが好きじゃない。音も好きじゃないし、見た目も好きじゃない。テレキャスターに対してはまったく思い入れがないんだ。それでも、その1本はなんとなく手に取ってみたら、すごく感触がよくて、試しにアンプにつないでみたら、音もすごく良かったから、そのギターと通じ合うものを感じたんだよ。
(その瞬間のひらめきがあったにもかかわらず、リーはためらってしまった)
でも、そのギターを棚に戻して、“テレキャスってあまり好きじゃないんだよな…そもそもなんで手に取ったんだろう”って思ったんだよ。
2日後、どうしても頭から離れなくて、やっぱりあのギターはしっくりきてたから、店に行ったんだけど、もう売れちゃってたんだ。だからこれは別の意味での“バイヤーズ・リモース(※商品やサービスを購入した後に感じる不安や後悔の心理状態)”だよね。むしろ“ノー・バイヤーズ・リモース”って呼ぶべきかな(笑)。今でも時々あのテレキャスのことを思い出す…あれとは確かに“つながり”があったんだ。本当に買っておけばよかったと思うね。」
リーの後悔はテレキャスターだけにとどまりいません。長年のキャリアの中で、「手元に残しておけばよかった」と思うギターはたくさんあるという。
「(インタビューの)時間、どれくらいある?(笑) 56年製のレスポール・ジュニアと、67年製のES-335は手放さなきゃよかったと思ってる。それに、90年代に売ったオリジナルのSGもまだ持っていたかったね。たくさんありすぎて、ちょっと悲しくなるくらいさ」
リーは、どこかで“究極の一本”を探しているギタリストたちに向けて、何十年にもわたる試行錯誤と痛感した教訓から生まれたアドバイスを語っています。
「実際に弾いてみること。運任せにしちゃダメだ。ビンテージ・ギターの中には、本当に特別なものもあれば、まあまあのものもある。だからまず弾いて確かめないとね。オンラインで新品のギターを買ったこともあるよ。新品のギターなら、品質はだいたい一定だからね。
さっき話したテレキャスに戻るけど、あれを試奏してなかったら、買おうなんて思いもしなかった。本当は買うべきだったんだ。だからこそ、ギターは実際に弾いてみる必要がある。時には、手に取った瞬間につながる感じがして、“これだ”ってなることがある。でも逆に“これは絶対に当たりだろう”と思って手に取ったギターが、まったくそうじゃないこともあるんだよ」