Apple Musicは3月4日、レコード会社と音楽配信会社向けの新たな「配信要件」として、AIタグ付けの導入を発表しました。今後、Apple Musicにて音楽を配信する際には、アートワーク、トラック、作曲、ミュージックビデオでのAI利用を開示することが義務付けられます。レコード会社と音楽配信会社は、この各分野で、AIの使用を開示する「Transparency Tags(透明性タグ)」を含める必要があります。
米ビルボード誌などによると、Apple Musicはこの新システムを、音楽業界のパートナーに送ったニュースレターで発表しました。それによると、Apple Musicは、コンテンツの「重要な部分」でAIが使用された場合にタグを付けるよう助言しています。
発表文では、「こうした新たなタグ付け要件は、業界全体が誰にとっても有効なベストプラクティスとポリシーを確立するために必要な透明性に向けた、具体的な第一歩となるものです」と説明されています。
Apple Musicが指定するAIタグの4カテゴリーは以下の通り
●アートワーク:
「アルバムのアートワークにおいて、重要な部分の作成にAIが使用された場合。このタグは、静止画およびモーショングラフィックのアートワークの両方に適用されます」
●トラック:
「音源(サウンド・レコーディング)の重要な部分を生成するためにAIが使用された場合。このタグはトラック単位でのみ利用可能」
●作曲:
「トラックに含まれる作曲の重要な部分をAIを使用して生成した場合。このタグは歌詞や楽曲のその他の重要な部分をAIが生成した場合に使用します」
●ミュージックビデオ:
「映像要素の重要な部分を生成するためにAIが使用された場合。アルバムに付属するミュージックビデオおよび単体のビデオの両方に適用されます」
フランスのストリーミングサービスDeezerによると、毎日6万曲の完全AI生成トラックがDeezerにアップロードされているという。音楽は通常すべてのストリーミング・プラットフォームに配信されるため、専門家は他のサービスでも同様の数値である可能性が高いと指摘しています。Deezerでは、完全AI生成楽曲を自動的にタグ付けし、編集部推薦やアルゴリズム推薦から除外する独自開発のAI検出ツールを導入することで、AIコンテンツの氾濫を規制しています。
Spotifyは、ディープフェイク、人工的ストリーミング、スパムなどAI音楽の悪用事例への取り締まりを強化していますが、これらの問題に関する規制をAI音楽に特化してはいません。またSpotifyは、DDEXを通じて音楽クレジットにおけるAI開示の標準規格を開発中だと報じられています。