20年前、
ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)にギタリストの
ロン・“バンブルフット”・サール(Ron ‘Bumblefoot’ Thal)が加入したきっかけは、ギターの名手
ジョー・サトリアーニ(Joe Satriani)の推薦でした。サトリアーニはポッドキャスト『Appetite For Distortion』の新しいインタビューの中で、ロンを推薦した経緯について振り返っています。
「あれは、プロデューサーのエリック・カディユーと僕が、最初のG3のライヴ・アルバムのときからずっと一緒に仕事をしてきたから起きたんだ。
彼は、あのたくさんのライヴ演奏を1本のライヴDVDとCDにまとめ上げる役目を任された編集者だったんだけど、彼は(ガンズ・アンド・ローゼズのアルバム)『Chinese Democracy』にも関わっていたんだよ。たしか8年とか、とにかくすごく長いあいだ関わっていた。あのアルバムは本当に永遠にかかるかと思うほど、とにかくものすごく時間がかかった。
そんなある日、彼から電話がかかってきて、“アクセル(ローズ)が、これまでで一番クレイジーなギタリストを探してる”と言ってきた。それが彼の要求のひとつだったらしい。たしかその時点で、すでにバケットヘッドはいたと思うんだけど、僕は“誰を推薦しよう? 一番クレイジーで、しかも最高のプレイヤーは誰だ?”って考えた。そして頂点にいるのは誰かと考えたとき、思い浮かんだのはただ一人だった。ロン・“バンブルフット”・サール しかいない、ってね。
僕がロンと出会った経緯も、かなり面白いんだ。パリでインタビューを受けていたとき、そのインタビュアーが他のギタリストについて僕にちょっと悪口言わせようとしてたんだ。彼はロンの音源を流す前に、ブルースとかブルースのフィーリングについて前置きをして、“こういうギタリストたちの中にブルースのフィーリングを感じますか?”みたいなことを言ったんだよ。
で、彼がかけたのは、ロンがめちゃくちゃ抽象的で、完全にぶっ飛んだことをやっている演奏でね。まあ、あれはロンにとっては普通のことなんだけど(笑)。それで僕は“うーん、ブルースのフィーリングはないと思うな”って言ったんだ。そしたら記事では、まるで僕がロンをディスったみたいな形で載せられてしまった。
そしたらロンがどこからか僕の連絡先を知って、連絡してきたんだよ。“なんでそんなこと言ったの?”って。だから僕は事情を説明して、“よかったらライヴに来ない?”って言ったんだ。当時ニュージャージーで演奏していたからね。それで“ステージで一緒にやろう。今のギタープレイがどんなものか、みんなに見せてやろう。あのブルース・フィーリングの件も笑い飛ばそうじゃないか”ってね。そこから僕らはすごく仲良くなったし、僕は彼の音楽性を全面的に賞賛するようになった。彼は完全にイカれてる――いい意味で。演奏能力は驚異的だし、ギターを弾く人なら分かると思うけど、彼がやっていることの大半は、彼にしかできないんだ。
(話はガンズ・アンド・ローゼズに紹介した経緯に戻って)
それで結局、ロンが真っ先に頭に浮かんだからエリックに言ったんだ。“このロン・サールってやつをアクセルのバンドに入れなきゃダメだ。アクセルにこう伝えてくれ。バケットヘッドの隣に立って、同じくらい奇妙に見えて、しかも同じくらい上手く弾けるギタリストなんて、他にいないって”って。二人ともトップクラスのギタリストだからね。
ロン本人との電話も、かなり面白かったよ。というのも、僕から電話で“ガンズ・アンド・ローゼズのオーディション受けてみない?”なんて言われるなんて、彼はまったく思っていなかったからね。彼は自分がただの一風変わったギタリストくらいに思っていたんだろう。当時もっともメジャーなロックバンド、ストレートなロックの新しいスタンダードみたいな存在が、自分をオーディションに呼ぶなんて想像もしていなかったんだ。
でも、それでも彼はやってみた。たぶん人生の実験みたいな感覚でね。どれだけ楽しいことになるか試してみようっていう気持ちだったんだと思う。そして彼は、そのままの自分で演奏して、その仕事を勝ち取った。アクセルもすぐに分かったんだと思うよ。“こいつは天才だ”ってね。結構長く続いたよね」