「ロックの衰退」について
オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)の妻シャロンと、スマッシング・パンプキンズの
ビリー・コーガン(Billy Corgan / William Patrick Corgan)は、それぞれの新しいインタビューの中で自身の考えを語っています。
シャロン・オズボーンはフランス・カンヌで開催されたMIDEM 2026に出演した際、ロックが「決して消えない」理由を語っています。
「いまだに“ロックは続くのか? 生き残るのか?”なんて言う人がいるのが、私には本当に信じられない。ロックはディスコじゃないし、一過性の流行でもない。魂から生まれるものなのよ。だからこそ、絶対に続けていかなきゃいけないし、バンドに、新しい才能に場を与えなきゃいけない。私に言わせれば、ロックが消えることなんて絶対にない。それに、バンドが自らの楽器を演奏する姿に勝るものはない。最高よ。
私は昔からボーイ・バンドが嫌いだった。ただ歌って踊るだけで“何やってるの?”って感じよね。馬鹿げてるわよ。でも、(ロック・バンドの)あの人たちは木と弦からあんな音を生み出す。“いったいどうやってあのソロを弾いたの?”って思うでしょう? ドラマーもベーシストも同じ。本当に素晴らしい芸術形態なのに、残念なことに業界では見下されている。“お前らは最低野郎だ。誰も求めていない”って。でもそんなことを言うのは、現場を知らない人たち。現場から離れたところにいる人たちよ。オフィスや運転手付きの車の中にいて、実際に何が起きているのか分かっていない。
それから、主流メディアもロックに冷たい。彼らはただ“次の大ヒット”を求めているだけだから。そればかり追いかけている。だから厳しい状況ではあった。でも今は、90年代後半に出てきたバンドたちがいまだに活動を続けていて、スタジアムを満員にしているのを見ると、本当にすごいと思うわよ。
結局はライヴが全てだと思う。本当にそう。だって今のレコード業界はものすごく小さくなってしまったから。友人がクリスマス直前にチャート3位のアルバムを出したんだけど、“何枚売れたの?”って聞いたら、8,000枚よ。その時期に3位になるのにたった8,000枚だなんて。本当に微々たるものよね。ストリーミングサービスは便利だし素晴らしいけれど、まず第一に、アーティストに入るお金はほとんどない。冗談みたいな額よ。それにアルバムという作品全体を発見する楽しみも壊してしまった。アルバムを通して聴いてこそ、そのバンドが何者なのかが分かるのに。良さそうな1曲だけを聴くのとは全然違う。今の音楽業界はツアーがすべて。それが現実なのよ。」
一方、ビリー・コーガンは自身のポッドキャスト『The Magnificent Others』の最新エピソードの中で、この衰退は仕組まれたものだと語っています。
「はっきり言わせてもらうけど、ロックは意図的に文化の中で抑制されてきたと思う。始まったのは90年代後半。最初のきっかけは――また“カーテンの裏の魔法使い(※真実が隠されていることを示す隠喩)”みたいな話になるけど。“じゃあ、その魔法使いが誰だって、どうやって分かるんだ?”と言う人もいるだろう。ただ僕が言えるのは、重力が移ったのをこの目で見たってことだけだ。
もし君が1997年から1998年にかけてMTVにいた、あるいはその周辺にいたなら、突然ロックは“もう終わり”って扱いになったと感じたはずだ。それまでロックは番組の中ですごく、すごく大きな存在だったのにね。それがラップに取って代わられた。彼らは即座にやり方を変えた……基準や慣行が一気にシフトしたんだ。だから、それまで許されなかったことが突然許されるようになり、人々は銃を振りかざすようになった。中にはCIAが裏で関与していたと主張する人もいる。繰り返すが、それは僕の知るところじゃない。ただ、その変化が起きたのを僕は見た。確かに目撃したんだ。
もちろん、そこから素晴らしい音楽も生まれた。無理やり押しのけられて、ただ追い出しただけの不毛の荒野になったわけじゃない。質の高い作品や偉大なアーティストも現れたのも事実だ。だが、明らかなシフトがあった。僕はそれを目撃した。そして今、君が指摘したように、ラップは文化的影響力という点では衰えつつあるように見える。今やポップが完全に支配している。
ロックはおそらく西洋世界で最もチケットが売れるジャンルなのに、文化の中ではほとんど存在感がない。この乖離はなぜ起きているのか? 僕は、ロックスターが文化に対して発言力を持つ力を、意図的に抑え込まれてきたと思っている。あるいは……そのエコシステムの中にいる連中は基本的に枠からはみ出さないことを分かっているから、心配する必要もないということなのかもしれない」