ア・トライブ・コールド・クエスト/エリカ・バドゥ/ディアンジェロ他 エンジニア/ミキサー/プロデューサーのボブ・パワー死去
2026/03/04 12:22掲載

Bob Power, photo by Cindy Ord/WireImage for The Recording Academy
ア・トライブ・コールド・クエスト、エリカ・バドゥ、ディアンジェロ、デ・ラ・ソウル、ザ・ルーツなどの名作の数々を手掛けたエンジニア/ミキサー/プロデューサーのボブ・パワー(Bob Power)が死去。葬儀会社によると、3月1日に亡くなりました。死因は発表されていません。73歳でした。
ボブ・パワーは1952年4月シカゴ生まれ。セントルイスのウェブスター大学で音楽理論の学位を取得後、サンフランシスコのローン・マウンテン大学でジャズの修士号を取得。1970年代半ばから1980年代初頭にかけてカリフォルニアに滞在し、テレビやCMの音楽を担当した。
1982年、キャリア拡大とあらゆる仕事を得るためニューヨークへ。ブルックリンのヒップホップグループ、ステッツァソニックに認められ、1986年のブレイクスルー作『On Fire』のエンジニアとして起用された。こうしてヒップホップ分野で居場所を見出したパワーは、90年代初頭、ニューヨークの先駆的ヒップホップ集団ネイティブ・タンズと緊密に結びつき、ア・トライブ・コールド・クエストの画期的なアルバム『The Low End Theory』のレコーディング・エンジニアを務めた。同時期にはデ・ラ・ソウルの『De La Soul Is Dead』でもミキシングを担当した。
ア・トライブ・コールド・クエストとの仕事を続ける一方で、パワーは音楽集団ソウルクエリアンズとも親交を深めた。1990年代半ばから2000年代初頭にかけて、ディアンジェロの『Brown Sugar』、エリカ・バドゥの『Baduizm』、Commonの『Like Water for Chocolate』、ザ・ルーツの『Things Fall Apart』など、彼はジャンルを定義づけるアルバムの数々でミキシングまたはエンジニアリングを担当した。
エリカ・バドゥの「On & On」はパワーにとって初のR&Bチャート1位シングルとなり、ミシェル・ンデゲオチェロの『Peace Beyond Passion』ではグラミー賞の最優秀エンジニアリング・アルバム賞にノミネートもされた。
ザ・ルーツのクエストラヴは訃報を受け、「ボブは“低音の王”だった」と追悼しています。